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2013年10月26日

10月26日@科学技術館

冷たい雨の降る日が続き、太陽の暖かみが恋しくなりますね。
本日は千葉大学の野本知理が案内役を務めました。

私たちの体に重要なビタミンや料理に不可欠な調味料、これらが
どんな原子や分子で出来ているかご存じでしょうか?例えば砂糖。
分子式をかけるという人もいらっしゃるかもしれませんが、
どんな形でしょうか?いろいろな種類の分子の立体的な構造
紹介しました。

次は打って変わって宇宙のお話です。私たちの地球の公転速度を
少し速く
したら、突然、太陽が増えたり減ったりしたらどうなる
でしょうか。さらに太陽系を飛び出して隣の恒星であるαケンタウリ
という星から見た星空
を眺めたり、恐竜が生きていた頃の地球の
星空を眺めたり、光の80%の速度で地球からベテルギウスに
星間旅行したりしました。どんな眺めになるか、想像つきますか?
答えはwebではなく科学ライブショー「ユニバース」でどうぞ。

また「ライブ天体観測」では小惑星が移動しているムービーと
散開星団のM52、そしてNGC1763という星雲の一種を紹介しました。


m52.png
M52散開星団
ngc1763.png
NGC1763


最後に、「ゲストコーナー」としてJAXA宇宙科学研究所の矢野創さんを
お招きして「たんぽぽ・国際宇宙ステーションで行うアストロバイオロジー
実験」という題でお話しいただきました。

皆さんは生命がどこから来たのか、一度考えたことはあるでしょうか?
生命には有機物と水とエネルギーが必要で、そのすべてを含んでいる
海から生命が生まれたと言われています。そして海水やその生命の
原材料は、なんと宇宙から来た塵に含まれていたとのことです。現在でも
年におよそ4万トンもの塵が宇宙から降り注いでいます。この塵(宇宙塵)を
調べることで生命の源が更に分かるかもしれません。宇宙から来る塵は
もちろん、地球から宇宙へ達する塵もあるかどうか調べる為に、2014〜5年
から最長3年間、国際宇宙ステーションに、とても密度の小さいガラス
(エアロゲル)を用いた塵採取の実験「たんぽぽ」が行われるそうです。
このたんぽぽで用いられるエアロゲルは、採取の際の衝撃や熱による
塵の変成をできるだけ少なくした画期的なものだとか。さらに、惑星探査
でも似た実験が使えないかと考えているのだそうです。土星の衛星の
エンケラドスは今も地下の海から氷粒を噴出させていて、その中には
有機物が含まれていることが分かっています。この氷を「たんぽぽ」の
技術で採取し、宇宙ヨットの「イカロス」と小惑星探査機「はやぶさ」の
技術で土星から持ち帰ることが可能となれば、遠からず地球生命の
「隣人」が見つかるかもしれません!地球上の生物学を、物理や化学と
同じように宇宙のどこでも通用する学問に飛躍させて、宇宙からの
視座で生命とは何かを考えるのが、今回のタイトルにもある「アストロ
バイオロジー」なのです。

投稿者 ライブショーアシスタント : 10月26日

2013年10月19日

10月19日ノーベル賞特番第1部「物理学賞」

風も冷たくなり、もうすっかり秋めいてきましたね。本日の科学ライブショー「ユニバース」
ノーベル賞特番は、東京理科大学の亀谷和久が案内役を努め、今年のノーベル賞に
関係している分野の研究者をゲストにお招きしてお送りしました。

第1部は「ノーベル物理学賞」です。高エネルギー加速器研究機構の野尻美保子さんを
お招きして、「ヒッグス粒子発見からわかったこと、わからないこと」というタイトルでお話し
していただきました。

みなさんは、素粒子という言葉を聞いたことはありますか?例えば、空気(窒素や酸素、
二酸化炭素など)や水、木、金属、プラスチックなどありとあらゆる物質は原子で構成
されています。この原子を詳しく見ると、陽子や中性子、電子で構成されていることが
わかります。さらに陽子や中性子を詳しく見ると、実は、アップクォーク、ダウンクォークと
よばれる、素粒子「クオーク」で構成されているのです。電子もレプトンと呼ばれる
素粒子の1つになります。

物質を構成する最小の単位とよばれる素粒子には様々な種類があります。陽子や
中性子はアップクオークとダウンクオークからできていますが、電子やニュートリノと
ぶつかることで互いに入れ替わる性質を持っていて、一つのペアとみなすことが
できます。また、これ以外に4種類のクオークがありますがアップクオーク、ダウン
クオークと相互作用は同じで質量だけが異なります。素粒子同士の反応をおこす
ゲージ粒子には、質量が0の光から、陽子の100倍近い重さをもつW 粒子、Z粒子
まで様々なものが存在します。このように物質を構成する粒子やゲージ粒子にある
性質の違いを説明するためにかねてから予言されていたのがヒッグス粒子です。

量子力学という、ミクロな世界の粒子の性質を記述する理論では、粒子は波と
いう性質と粒子という性質を同時に持っています。この粒子と波の性質を表す
ものとして「場」という言葉を使います。普通の粒子は、粒子が存在するところに
だけ場が値をもちます。ヒッグス粒子も波の性質を持ち、したがって「ヒッグス場」
とも呼ばれるのですが、普通の粒子と異なり空間のどこでも同じ値をもつ「真空
期待値」の部分と、その上の揺らぎである「ヒッグス粒子」の部分が存在します。

電場や磁場なども空間に分布しているという点ではヒッグス場と同じですが、
電場や磁場は発生源があって、場所ごとに違った値をとります。しかしヒッグス場は
空間に均一に同じ値をとっています。このような性質はヒッグス場が0であるよりも
値をもっていたほうが空間のエネルギーが低いという性質があれば実現できます。
ヒッグス場の値をかえていくと、空間のエネルギーはヒッグス場の値が0の原点を
小さな山として、原点から離れるとエネルギーが一度下がり、さらに離れると
上がり始めます。このグラフをかくと、ワインの瓶の底のような形になります。
あるいはサラダボウルの中心にプリンを盛ったとイメージしてみると近いかも
しれません。

ヒッグス場が空間のどこにでも値をもっているということは、ヒッグス場は私たちが
何もないと思っている真空の空間、例えば宇宙にも存在しているということを示して
います。ヒッグス場と相互作用する粒子は、空間に何もない真空の状態でも常に
ヒッグス粒子と相互作用します。このヒッグス場が物体(物体を形作る素粒子
「クオークとレプトン」や力を伝える粒子)に干渉した結果が質量となります。

ヒッグス粒子は見つかりましたが、実はヒッグス粒子に対する理解はまだまだ
課題があるそうです。それは大きく分けると2つ。1つは、ヒッグス場の値を変えた
ときにの真空のエネルギーはエネルギーは一旦上がったあとヒッグス場の値の
すごく大きいところでまた落ちることが可能であり、この為に真空が不安定になる
可能性があるということです。もし落ちてしまった場合、真空からエネルギーが
沸いてくる不思議なことになるそうです。もう1つは、階層問題というヒッグス
粒子を遠くから観測したときと、近くから観測した時の、質量の値にある大きな
ギャップの存在です。これらを補正するために考えられている素粒子理論が
超対称理論というものです。この超対称理論を使うと長年謎とされているダーク
マターも説明できるかもしれないそうです。ダークマターの存在も含め、素粒子
にはまだまだわからないことが存在します。これからの研究が期待されるところです。

投稿者 ライブショーアシスタント : 10月19日

10月19日ノーベル賞特番第2部「医学生理学賞」

第二部の医学生理学賞では、中野 明彦さん(理化学研究所/東京大学)に
「ノーベル生理医学賞2013ー細胞内の交通整理を明らかに」という
タイトルでお話しいただきました。

今年のノーベル医学生理学賞は、アメリカのジェームズ・ロスマン(James
Rothman)氏とランディ・シェックマン(Randy Schekman)氏、ドイツの
トーマス・スードホフ(Thomas Suedhof)氏の3氏が受賞しました。
受賞理由は、『小胞輸送を制御する分子装置の発見』で、今日お話し
いただいた中野 明彦さんもこの分野を研究しています。
では、今回の受賞内容とはどのようなものなのでしょうか?

細胞とは生命の最小単位であり、核やゴルジ体など様々な細胞小器官から
成り立っています。それぞれの小器官は異なる役割を担っています。細胞の
生命活動の全ての設計をしているのがDNAであり、実際に働くのが
タンパク質です。核内のDNAは、転写RNAに個々の遺伝子の情報をコピー
して、リボソームへと送ります。リボソームでその遺伝子情報に基づいて
タンパク質が作られ、ミトコンドリアや小胞体、ベルオキソームといった
いくつかの細胞小器官へと送られます。この輸送経路にシグナルが存在する
ことについて、1999年にドイツのギュンター・ブローベル(Günter Blobel)氏が
明らかにしました。しかし、解明されたのは一部に過ぎず、その他の細胞
小器官であるゴルジ体やリソソームへのタンパク質の輸送経路は謎に
満ちていました。

この問題を解決したのが今回の医学生理学賞受賞の方々です。
小胞体からゴルジ体へ、そしてゴルジ体から細胞膜へ,あるいはリソソームへと
タンパク質を送る鍵は『小胞輸送』でした。小胞輸送を行うことで、タンパク質を
細胞小器官の間で運ぶ主なルートが生まれます。具体的には、出発地となる
ドナー膜の一部が切り離され、輸送小胞となります。これが目的地となる
ターゲット膜の一部と融合することでタンパク質の輸送が完了します。
タンパク質の輸送経路はこのようになっているのだそうです。いわば、これらの
研究により、私たちは細胞内における交通整理の実態を把握出来るように
なったのですね。

しかし、このメカニズムを解明しても、まだまだ謎は残っています。まず、ゴルジ
体の中におけるタンパク質の輸送のメカニズムはどのようになっているのでしょうか?
というのも、ゴルジ体はたくさんの膜でできた器官であり、内部における輸送
メカニズムは謎に包まれています。

現在、細胞小器官間のタンパク質輸送に関して多くの研究者が研究を行って
います。19世紀に主流であった光学顕微鏡、20世紀に主流であった電子
顕微鏡に対し、最先端の研究では、ライブイメージングに注目が集まって
いるそうです。蛍光タンパク質を用いることで、注目部分の細胞の活動を
詳しく確認できます。細胞の変化を、生きたままの状態で目視で観察できるって
すごいですよね。科学技術の進歩に脱帽です。この分野の国際会議もある
そうで、実際に中野さんや本賞受賞者も参加されているそうです。受賞者の
方々のお茶目なエピソードも伺うことができました。

これからも、この謎に満ちた細胞の世界について、さらなる発見と解明が
楽しみですね。

投稿者 ライブショーアシスタント : 10月19日

10月19日ノーベル賞特番第3部「化学賞」

第3部では、化学賞について杉田有治さん(理化学研究所)に「計算機で化学する?
今年のノーベル化学賞と『京』コンピュータ」というタイトルでお話しいただきました。

今年のノーベル化学賞受賞者はマーティン・カープラス(Martin Karplus)氏、
マイケル・レビット(Michael Levitt)氏、アリー・ワーシェル(Arieh Warshel)氏の
3名です。今回の化学賞の受賞理由は「複雑な化学システムを解明するための
マルチスケールモデルの開発」です。

「化学」といえば白衣を着ての「実験」や「化学反応」を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、今回の研究は物理化学の法則に従う理論式に基づいて、計算機(コンピュータ)を
用いてシミュレーションを行う「計算化学」というものです。つまり、試験管やフラスコを
コンピュータに、有機・無機化合物を計算可能な分子モデルに置き換えて考えます。
実際に薬品を使う実験ではないので、お話しいただいた杉田さんも最近は白衣を着て
いないとのことでした。

計算化学には2つの方法があります。量子力学を基盤とする量子化学と、古典的計算を
行い分子の運動を扱う分子力学/分子動力学というものです。例えば、これらの理論に
よってタンパク質の性質を計算しようとします。ところが、量子化学計算にはたくさんの
原子や分子でできた空間の振る舞いを正確に計算しようとすると、計算時間がとてつも
なく長くなってしまうという弱点があります。一方、分子力学では計算量が量子化学
計算と比べて少ないため、たくさんの原子や分子でできた空間の計算が行えますが、
精度が高くありません。

そこで考えられたのが今回のマルチスケールモデルです。これは、巨大なタンパク質
である酵素の中で、化学反応に直接関わる部分のみを量子化学計算で精密に行い、
それ以外の部分を分子力学で簡略化して計算するというものです。つまり、量子的
計算と古典的計算の良い部分を組み合わせた方法だと言えます。この手法は
QM/MM(Quantum Mechanics/Molecular Mechanics method)と呼ばれ、
生体分子の分野でのシミュレーション技術の発展に大きく貢献しています。

ちなみに今回のノーベル化学賞の研究が行われた1970年代と比べて、現在の
世界最速のコンピュータによる計算速度は数億倍にもなっているそうです。
コンピュータ「京」を用いたシミュレーションにおいても当時と比べれば分子サイズで
数万倍の規模になっています。しかし、基本的な概念や理論方程式は同じだそうです。
日々進歩しているコンピュータによって、より複雑な計算ができるようになることで、
科学・医学などの分野での研究がより進むようになると良いですね。

投稿者 ライブショーアシスタント : 10月19日

2013年10月12日

10月12日@科学技術館

本日の科学ライブショー『ユニバース』は伊藤哲也(国立天文台)が
案内役としてお送りしました。

まず、科学技術館から見える本日の星空を立体映像で紹介しました。
西の空には、わし座・はくちょう座・こと座から成る夏の大三角を
見ることができ、南東に目を移すと、アンドロメダ座・ぺガスス座
から成る秋の四辺形も確認できました。実際に、東京では街の明かり
によって、これらの星座を形作る星がすべて見られるわけではないかも
しれませんが、ぜひご自分の目で眺めてみてください。

また、「ライブ天体観測」のコーナーでは、日本の反対側で夜の
時間となるアメリカのヤーキス天文台とつなぎました。本日は、
ISON彗星、木星とガリレオ衛星、M103、NGC6946を観測した
画像を送っていただきました。特にISON彗星の画像は、12分おきに
撮影し、パラパラ漫画のようにすることで彗星の動きがよく
分かりました。11月〜12月にかけては、明け方に日本でも肉眼で
見ることができるかもしれないので、興味のある方はぜひ挑戦して
みてください。


cometison20131001.png
Ison彗星
jupiter.png
木星とガリレオ衛星
m103.png
M103
ngc6946.png
NGC6946

次に、地球から飛び出し「太陽系の姿」では、水星、金星、火星と
いった私たちに馴染み深い惑星の紹介を行った後、さらに離れて
「銀河宇宙の世界」を紹介しました。ところで、先日『ノーベル
物理学賞』が発表され、エディンバラ大学のピーター・ヒッグス
名誉教授の受賞が決定しました。受賞につながったヒッグス場の
発見によって、宇宙の様々なものに重さができました。138億光年の
宇宙の果ての様子をご覧いただきましたが、実はこれにも関連
しています。

最後に地球へ戻ってきて、周りを回る人工天体・国際宇宙
ステーションを見ていただきました。この施設には日本も
大きく貢献しており、きぼう日本実験棟を建設したほか、
今年11月からは若田さんが宇宙飛行士として搭乗する予定です。
「ToriSat」というweb サイトから、国際宇宙ステーションは
いつ見えるかが調べられるので、チェックしてみてください。

科学ライブショー『ユニバース』は、毎週内容を変えてお届け
しております。科学技術館へご来館の際には、4階にある
『シンラドーム』へぜひお越しください。

投稿者 ライブショーアシスタント : 10月12日

2013年10月05日

10月5日@科学技術館

本日の科学ライブショー「ユニバース」は、矢冶健太郎(国立天文台)を
案内役にお送りしました。昨日、今日とあいにくの天気が続いていますが、
たくさんのお客様にお越しいただきました。ありがとうございます。

太陽の表面には黒点の他にフィラメントと呼ばれる細長いものが見られます。
フィラメントがある太陽の画像を見て、次に翌日に撮影した太陽の画像を
見てみると・・・フィラメントがなくなっています。これはフィラメントが
吹き飛ぶ現象が起こったことを示しています。アメリカの太陽観測衛星
SDOが噴出の様子を撮影しており、今回はその動画も紹介しました。

本日の「ゲストコーナー」は、臼井文彦さん(東京大学大学院)が
「赤外線が決め手!いま明かされる小惑星帯の姿」と題してお話しました。

小惑星には、火星と木星の間の小惑星帯にあるメインベルト小惑星や、
イトカワのように地球軌道の近くを通る近地球型小惑星などがあり、大小
さまざまな(数十mから数百km)ものが60万個以上存在していることが知ら
れています。小惑星の大きさは基本的なデータの一つですが、小惑星一つ
一つに探査機を飛ばして測るわけにもいきません。そこで、臼井さんは
赤外線を用いて観測を行っています。小惑星は太陽光で暖められ赤外線
を出しますが、観測される赤外線の強さは小惑星の大きさに応じて変わり
ます。地上では小惑星からの赤外線は大気に吸収されて届かないため、
赤外線天文衛星「あかり」などを用いて宇宙から観測を行いました。今
までに、IRAS(アイラス)、あかり、WISE(ワイズ)の3つの衛星を使って、
約13万個の小惑星が観測され、その大きさがわかりました。
臼井さんは現在、あかりなどの観測結果の解析を行っています。あかりは
およそ5000個の小惑星を観測しました。その結果は「あかり小惑星カタログ」
公開されています。

投稿者 ライブショーアシスタント : 10月 5日

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