Synra dome 科学ライブショー「ユニバース」
ユニバースとは? 週刊ユニバース
コーナー紹介 ユニバースの音楽
科学技術館での上演 スタッフ
出張ユニバース No English version available. リンク
関連イベント サイト内検索

2016年11月26日

11月26日@科学技術館

2016年のノーベル化学賞は、「人工分子マシンの設計と合成」を実現した
フランスのソヴァージュ氏、英国のストッダート氏、オランダのフェリンハ氏に
贈られます。
そこで、本日の科学ライブショー「ユニバース」の2回目(15:30〜)の時間は
河合英敏さん(東京理科大学理学部第一部化学科)をお招きして、
「分子マシン SFの世界から現実へ!」
というタイトルにてノーベル賞特別番組をお送りしました。

今年のノーベル化学賞受賞者の3氏は、「分子レベルの大きさの機械」を作り出す
ことに成功しました。機械というと工業的な感じを受けますが、実は私たちの体の
中にもそのようなものがあります。
例えば、体内にあるATP合成酵素という物質は、モーターのようにくるくる回りながら
生体のエネルギー源ともいえるATPを合成します。
3氏が成し遂げたのは、生物の体内にあるものよりずっと小さな分子マシンを人工的に
作り出すことです。一方向に回転する・上下運動する・伸縮する・車のように動くといった
動きをするマシンを、分子レベルの大きさで作ることに成功しました。
このような、非常に小さな、分子レベルの機械を作るためには、そのパーツも効率良く
作る必要があります。
「カテナン」「ロタキサン」といった分子パーツを効率良く作る方法を編み出したことも、
今回の化学賞の授賞理由でした。

本日の講演では、分子の大きさの話から始まり3氏の業績、さらには河合さんとの関わり
など幅広いお話がありました。河合さんは受賞された3氏にも会ったことがあるそうで、
研究について様々な議論を行ったとのことです。
ちょうど今年ソヴァージュ教授にお会いした際に、メモ用紙に図を描いて説明してもらった
ことが、まさに今回受賞した研究の根幹にあたる部分だったとのお話も印象的でした。

人工分子マシンの研究が進むと、さまざまな新しい技術に役立つと考えられているそうです。
例えば、薬剤を積んだ分子マシンを血管に投与して病気の患部に直接届ける、新しい医療
技術の進展に役立つかもしれません。今後の技術の発展から目が離せませんね!

本日1回目のライブショーは通常番組の科学ライブショー「ユニバース」の上演を行い、
野本知理(千葉大学)が案内役を務め「分子の世界」「重力の不思議」のお話をしました。
今回は特別番組をお送りしましたが、普段の科学ライブショー「ユニバース」でも
毎回様々なゲストをお招きして科学の話題をお送りしています。
ぜひ科学技術館4階シンラドームへお越しください。

投稿者 ライブショーアシスタント : 11月26日

2016年11月19日

11月19日@科学技術館

本日の科学ライブショー「ユニバース」は、矢治健太郎(国立天文台)が案内役を務め、
ゲストに新吉高さん(日立製作所 研究開発グループ 制御イノベーションセンター)をお迎えして、
お送りしました。

本日のスタートは「太陽系の姿」のコーナーから。
惑星たちの紹介をしたあとは、国立天文台や太陽観測衛星「ひので」で撮影された3枚の
画像を見ながら最新の太陽について紹介しました。最近は活動があまり活発ではなく、
黒点はあまり写っていませんでした。ここで、国立天文台の今週の一枚に選ばれた写真を紹介。
なんと、太陽の表面に飛行機のシルエットが!このような画像は時々映るそうですが、
ここまできれいに映ることはなかなかありません。


20161115-solar-940.jpg

図:太陽面を横切る飛行機をとらえた(2016年11月15日)

続いてのコーナーは、「本日の星空」です。本日の夜20時まで時間を進めて、
星空の紹介をしました。秋の夜空は明るい星は少ないですが、星座にまつわる
面白い神話がたくさんあります。星がつくる物語を想像しながら、ぜひ星空を眺めてみてください。

最後は「ゲストコーナー」です。新さんに、「自動運転の眼 〜自動車とETロボコンを題材として〜」
と題してお話いただきました。新さんはカメラを使って自動車をさらに便利にするための
研究をされているそうです。今回のお話のキーワード「自動運転」。自動運転とは、
人の代わりにコンピューターが自動で機械を動かす技術のことです。
実は飛行機やエレベーターなど色々なところで既に実現されています。
では、どうしてエレベーターでできるのに、自動車での実現は難しいのでしょうか。
それは、自動車運転には人とぶつかるなど不測の事態がつきものだからです。
そこで新さんたちは、様々なカメラを使って自動車が人と衝突しないよう研究を進めています。
自動車が安全に止まるようにするために2つのカメラを使って距離を測るステレオカメラや、
標識を認識するカメラ、さらには自動駐車のための白線を認識するカメラなどを使って
車の周りを見ることができるような技術の開発しているそうです。これらの技術は、
運転免許を持っている人なら誰でもできますし,高価なコンピューターを使えば実現できる
部分も増えてきています。しかし、自動運転車を製品として世に送り出すためには,
それをより速く安全かつ,安価なコンピューターで実現するための研究が必要なのです。
自動運転が実現するのは、2025年〜2030年ごろだと言われていますが,もっと
早くなる可能性もあります。
次に、自動運転で重要なソフトウェアと制御の技術を競う大会「ETロボコン」について
紹介していただきました。
LEGOブロックでできたロボットに取り付けられたカラーセンサで、道を進んだり、
ブロックの色を見分けて運んだり、といったスピードと技術を競う大会です。
ETロボコンには高校生から社会人の方までたくさんの方が参加しています。
今回新さんが紹介してくださったのは、今年の全国大会でモデル審査三位に入賞した
高校生チームの動画です。リモコンによる操作ではなく、ロボット自身が考えて
動いているとは思えないほど正確な動きを見せていました。
自動運転技術の研究が進んで、自動車事故がなくなる未来がすぐそこまで来ています。

科学ライブショー「ユニバース」は、毎週土曜日に楽しい科学のお話を
お届けしています。科学技術館4階シンラドームへぜひお越しください。

投稿者 ライブショーアシスタント : 11月19日

2016年11月12日

11月12日@科学技術館

本日の科学ライブショー「ユニバース」は、矢治健太郎(国立天文台)が
案内役を務め、一回目は通常の上演、二回目は『ノーベル生理学・医学賞特別番組』
としてお送りしました。

2016年のノーベル生理学・医学賞は、大隅良典氏(東京工業大学特任教授)が、
「オートファジーの仕組みの解明」により受賞しました。
そこで、本日2回目のユニバースではノーベル賞特別番組として、
上野隆さん(順天堂大学大学院医学研究科研究基盤センター客員教授)に
「ATG遺伝子のインパクト-大隅良典先生ノーベル生理学・医学賞受賞の意義」と
題して、大隅先生の研究内容である「オートファジー」についてお話いただきました。

オートファジー(autophagy)は、自分(auto)を食べる(Phagy)という意味の
ギリシャ語です。自分を食べるってどういうことでしょう?
それは細胞が持っている、細胞内のタンパク質を分解するということです。
このオートファジーは、人間が活動するために必要な必須アミノ酸が不足したとき、
すなわちお腹が空いて栄養が不足しているときに活発に起こり、細胞内に存在する
タンパク質を分解することでアミノ酸を生成し、アミノ酸の不足を避けるために行われます。
細胞が自分の中のタンパク質を分解、つまり「食べる」というオートファジーの仕組みの
おかげで、人間は飢餓状態にあっても多少の期間であればその生命を維持することが
できるのです。
このオートファジーは、細胞内にあるリソソームという器官で行われています。
リソソームは1955年に肝臓の代謝の研究中に偶然発見されました。
そしてリソソームの働きの一つとしてオートファジーが提唱されました。
アミノ酸が不足したとき細胞内にオートファゴソームという膜小胞が形成され、
これがリソソームと膜融合をすることでオートリソソームが形成されます。
このオートリソソームによって細胞の内在基質であるタンパク質が分解され、
アミノ酸に分解されます。この一連の働きがオートファジーと呼ばれるものです。
オートファゴソームがオートリソソームへ移行するのにかかる時間は、
たったの数分から十数分の間。こんなに短い時間では働きがよく観察できない!
ということで、オートファジーの研究は停滞してしまいました。
しかし、その研究の鍵となるATG遺伝子が発見されたことによって、大いに発展しました。
大隅先生はこのATG遺伝子を発見したのです。

大隅先生は、出芽酵母という酵母を使ってATG遺伝子を発見しました。
出芽酵母では、動物のリソソームにあたる器官として液胞が細胞質に拡がっています。
タンパク質の分解を起こさせなくする(液胞プロテアーゼ阻害をする)と、
オートファゴソームが液胞にたまりオートファジーが機能しないことを発見しました。
この発見がさらにオートファゴソームの形成に必要な因子の発見につながり、
オートファジーの研究の発展に大きく貢献したのです。

人間の体には、まだ知られていない仕組みや機能がたくさん存在し、多くの研究者たちが
その謎について研究しています。
さらなる謎が解明される日も近いかもしれませんね。

そして本日の『ノーベル生理学・医学賞特別番組』に続き
11月26日(土)は、2016年ノーベル化学賞「分子マシンの設計と合成」に関連する
研究分野の研究者をお招きし、この業績の意義について講演いただく
『ノーベル化学賞特別番組』をお送りいたします。

■講師   :河合 英敏 先生(東京理科大学理学部第一部化学科)
■タイトル:「分子マシン SFの世界から現実へ!」
■詳細   :http://www.jsf.or.jp/info/2016/11/post_876.php

受賞業績の解説だけでなく、
最新の研究との関わりまでわかりやすく解説していただきます。

もちろん、毎週土曜日の通常上演でも様々なゲストの方をお招きして、
最新の科学の話題をお届けしていますよ。
ぜひ、科学技術館4階シンラドームへお越しください。

投稿者 ライブショーアシスタント : 11月12日

ご感想、ご要望はinfo@chimons.orgへ。
(c) 1999-2011, Team Chimons, All rights reserved..