6月11日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」では、日下部展彦(アストロバイオロジーセンター)が案内役を務めました。アストロバイオロジーセンターは2015年に国立天文台と基礎生物学研究所が融合してできた新しいセンターです。

ライブショーでは、まず今日6月頃の星空を紹介しました、。皆さんは6月頃はちょうど梅雨の時期で、雨が多くて星が見えにくいと思いますか?でも、実際は、6月は一年で一番星がきれいに見える月と言われているんです。それは、雨が降って大気中の汚いものを洗い流してくれるからだと話していました。6月に見える星空には、りょうけん座、北斗七星の柄を伸ばして、アークトゥルスとスピアを結んだ春の大曲線や、アークトゥルス、スピア、デネボラを結んだ春の大三角、そして、春の大三角にコルカロリを結んだ春のダイヤモンドを紹介し、春に見える星座を堪能しました。もうすぐ夏ですが、夏に天の川近くに見えるはくちょう座では、ケプラー宇宙望遠鏡により大量の系外惑星が発見されています。1995年に初めてペガスス座に系外惑星が発見されて以降、現在では5500個以上の系外惑星が発見されています。こんなにも系外惑星が見つかっているのなら、水や大気がある星も既に見つかって、さらには生命がいる星もたくさん見つかっていると思いませんか?でも、実際どうしたら地球のように生命がいることを調べられるのでしょう。それを調べるために創設されたのがアストロバイオロジーセンターでした。

それでは次に、「アストロバイオロジーの最新成果」を紹介しました。

一つ目は、『太陽系外の金星の発見』の紹介でした。皆さんは、金星の大きさを知っていますか?地球とほとんど同じ大きさなんです。でも、金星は地球と似た大きさであるにも関わらず、、生命が生きれるような環境ではありません。この理由が分かれば、生命が生きれる条件を見つけることができるのです。つまり、金星に似ている系外惑星を調べることで、もしかすると、生命がいる条件を見つけることができるかもしれません。今見つかっている金星に似た系外惑星がグリーゼ12bです。このグリーゼ12bは、これまで発見された系外惑星に比べて、金星に似ているので、今後の研究に期待されています。

続いて、植物の研究成果について紹介しました。なんで宇宙じゃなくて生命なんだ?と思う方も多いでしょう。そもそもアストロバイオロジーのバイオロジーと名前があるくらい宇宙と生物の融合した機関がアストロバイオロジーセンターです。でもどうして、生物を調べることが宇宙に生命がいることと繋がるのでしょうか?それは、生命活動に必要なものを、まだ私たちが知らないという点にありました。ここで二つ目の成果である『光合成の放熱による地球環境』を紹介しました。ご存じのとおり、光合成は水と二酸化炭素を養分と酸素に変える役割を果たしていますが、実はその際に、太陽のエネルギを熱として放出しているんです。植物が光合成をするとき、多すぎるエネルギーを熱として逃しています。ここで逃した熱の量を見積もったところ、地球環境にも影響を与える可能性があることがわかりました。これは、もし系外惑星に地球とにたシステムの植物がある場合、系外惑星の大気を温める一つの要素として考えることができます。系外惑星の植物を直接とってきて調べることはまだできませんが、地球の生命も宇宙の生命の一つとして研究を進めることで、宇宙における生命の研究をひとつずつ進めています。

最後に、「宇宙の果てまで」では、地球を出発して太陽系、銀河系を超えていきました。銀河には、銀河がたくさん集まっている密なところと、銀河がほとんどない疎なところがあります。この疎密構図を宇宙の大規模構造といい、これも超えて遥か彼方、宇宙の果てまで旅行しました。

科学ライブショー「ユニバース」では毎回さまざまな科学の話題をお送りしています。ぜひ科学技術館4階シンラドームへお越しください。

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