6月22日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は、大朝由美子(埼玉大学)が案内役を務め、ゲストとして工藤智幸さん(国立天文台 ハワイ観測所)に、遠隔でお話しいただきました。

ライブショーは、まず今の太陽を紹介しました。最近の太陽は活発で、可視光で見られた多くの黒点の周囲に、X線や紫外線ではガスが噴き出したような姿が見られました。
次に、最近のトピックとして「はくりゅう(EarthCARE)」の打ち上げ成功について紹介しました。日本とヨーロッパが共同で開発を進めた人工衛星で、地球の雲、大気、エアロゾルなどを詳しく調べる4つのセンサーが内蔵されています。これらのセンサーによって環境問題の研究や気候変動の予測がより正確に行えるようになります。これからのはくりゅうの活躍が期待されますね!

「季節の星空」では、「今夜、東京千代田区の空には何個の星が見えるでしょうか?」という問いかけから始め、夜空に見える星を解説していきました。街明かりが多い東京で見られる星は約10個。今夜の22:00頃には、西の空に春の明るいアルクトゥルスとスピカが、東の空に夏の大三角が見られます。また、明け方ごろになると土星や火星などの惑星も見え、にぎやかな空を楽しめるでしょう。

「太陽系の紹介」では、地球を飛び出して太陽系の惑星を順に見ていきました。
惑星の1つ、火星には太陽系で1番大きな山、オリンポス山があります。
そのオリンポス山の頂上に霜が発見されたことを、画像を交えてお伝えしました。
また、太陽以外の多数の恒星に惑星が存在すること、太陽系外の惑星をすばる望遠鏡で探っていることを紹介しました。

「ゲストコーナー」では、『すばる望遠鏡による惑星探し』というテーマでお話しししていただきました。
まさに観測中のすばる望遠鏡から中継を行い、実際に望遠鏡や観測装置を制御するパソコン・モニターや観測の様子などを紹介していただくとともに、すばる望遠鏡で系外惑星をどのように探しているのかについてご説明いただきました。ハワイのマウナケア山頂付近にあるすばる望遠鏡では、今の気温は約5度、湿度約5パーセント。空も快晴で、観測には抜群の気象条件です。系外惑星探査には、惑星の姿をとらえる「直接撮像法」・スペクトルや光の変化から惑星を見つける「ドップラー法」「トランジット法」などがあり、すばる望遠鏡では、「SCExAO」「IRD」「HDS」などの装置が主として用いられています。本日の観測では、IRDを用いて系外惑星の大気について詳しく調べられているとのことでした。

最後に太陽系を飛び出してたくさんの群れをなす銀河を遊泳し、宇宙の大規模構造を眺めて地球に戻り、本日のライブショーは終了いたしました。

科学ライブショー「ユニバース」では毎回さまざまな科学の話題をお送りしています。
ぜひ科学技術館4階シンラドームへお越しください。

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