9月24日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は、亀谷和久(国立天文台)が案内役を務め、
ゲストに山内銘宮子さん(アイヌ星座研究家)をお迎えしてお送りしました。
まず初めに「本日の星空」のコーナーから。どんより曇った今日の空とは違い、ドーム内の
シミュレーションでは青空が映し出されました。2日前は秋分の日だったので、時間を
進めてみると真西に太陽が沈み、真っ暗な空にたくさんの星が現れました。本来、街の
明かりがなければ東京でも天の川の姿を見ることができます。そして天の川の裾には
さそり座のアンタレスと土星、火星が小さな三角形を作っています。さらに天頂には
夏の大三角形が。夏が終わりかけ、秋の星座であるペガスス座、アンドロメダ座そして
カシオペア座が日の入りに東の空を綺麗に飾っています。
みなさんもぜひ、夜空を見上げてみてください!
続いて「ライブ天体観測」へ。昼間の日本の裏側、ちょうど深夜のアメリカのヤーキス
天文台にいるコリーさんと中継を繋いで、天体の写真を紹介していただきました。天文台の
付近には嵐が来ており、1週間前に撮ったかに星雲、ヘラクレス座の球状星団、渦巻銀河の
画像を解説していただきました。かに星雲は1000年くらい前に超新星爆発を起こしており、
中国や日本にはその記録が残っているんだとか。
そして、本日の「ゲストコーナー」は山内さんに「ノチゥ ~ アイヌの星が教えてくれること」
というタイトルでお話していただきました。
アイヌの人々は星にケタ、リコプ、ノチゥなど独自の呼び名をつけていました。1804年には
蝦夷方言藻汐草という書物の中で様々なアイヌ独自の星座がまとめられています。アイヌの
人々にとって星座は、方向、食べ物の旬だけでなく、動物の生態もわかるというとても身近で
大切な存在だったのだとか。
例えば、北斗七星をシャーマンに見た立てて、仰向けで寝ている図の時は立冬、うつ伏せの
場合は立夏と判断していたそうです。さらに秋の星座の一つ、8月に見えるヤギ座をクマの
足跡「カムィルコチ」も紹介して頂きました。そしてその足跡が日の入りに見えなくなる12月は
ちょうどクマの冬眠が始まる時期とのこと。
このように星座の見える時期と動物の行動が変わる時期を重ねて、星座に名前をつけて
いたそうです。
また、星の世界も人間と同じ生活が送られていると考えられていたため、魚を採っている
様子を表した星座もありました。
みなさんも様々なストーリーがある素敵な星座たちについてぜひ調べてみてください。
科学ライブショー「ユニバース」は、毎週土曜日に様々なゲストをお招きして科学に
まつわる最新の話題をお届けしています。
ぜひ、科学技術館4階・シンラドームへお越しください。