4月27日@科学技術館

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本日のユニバースは案内役を片岡龍蜂(東京工業大学)が努め、ゲストに
三好由純さん(名古屋大学)をお招きし、上演いたしました。
オーロラづくめの本日は太陽活動が静かだった2010年に撮影された
オーロラから始まり、太陽活動が比較的活発な最近に撮影されたものまで、
様々なオーロラを紹介しました。アイスランドの音楽を聴きながら眺める
オーロラはとても美しいものでした。オーロラ爆発と呼ばれる視界いっぱいに
急激に広がるものや今日の「ゲストコーナー」のテーマである脈動する
オーロラは見ていて楽しいものでした。また、シンラドームでのみ見ることの
できる立体オーロラも上演しました。飛び出して見えるオーロラにびっくり
されたお客さんもいらっしゃったようです。
オーロラを一通り紹介した後、今日の星空をヤーキス天文台から少しだけ
紹介しました。「ライブ天体観測」です。ヤーキスのビビアンさんには月と
球状星団のM3、渦巻銀河のM100を紹介していただきました。M3はおよそ
100万個の星が、M100はおよそ1000億個の星が集まってできているそうです。


m3.png
図:M3球状星団
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図:M100球状星団

さて、話題はオーロラに戻って、オーロラには未解明の問題があります。
オーロラ爆発がどうして起こるのか、2つめはオーロラ爆発の後に必ず
現れる脈動オーロラがどうして数秒ごとに点滅する(脈打つ)のかという
問題です。2つめの問題を解決するために、脈動するオーロラを研究
されているのがゲストの三好さんです。「脈うつオーロラとERG計画に
ついて」というタイトルでお話していただきました。
オーロラは太陽からの風が地球の磁気圏と衝突し、地磁気に沿って北極や
南極付近から大気中に太陽の風が吹き込むことで起こります。太陽風には
電子と呼ばれるマイナスの電気を持った粒が含まれており、電子が地球の
大気中の酸素や窒素と衝突することで美しいオーロラが現れます。脈動
するオーロラの場合も同じで、オーロラが光っているときに電子が降って
きて、光っていないときには電子が降っていないそうです。では、なぜ
電子が降ったり降らなかったりするのでしょうか。これにはオーロラの
「音」が深く関係していることがわかってきました。「音」といっても
オーロラを見ているときに実際に聞こえるわけではありません。オーロラ
からやってくる電波をアンテナで捉えて音に変換すると、小鳥のさえずりの
ように聞こえます。このさえずりは地球の磁気圏内に大量に含まれる
プラズマ(電気を帯びた粒の集まり)の中で波が現れたり消えたりするのに
対応しているそうです。なぜ、プラズマの波が現れたり消えたりするのかは
現在わかっておらず、解明するためにERG(エルグ)衛星を2015年に
打ち上げるそうです。ERG衛星の観測結果が楽しみですね。
科学ライブショー「ユニバース」では最新の話題を常に取り込んで
お送りしています。ぜひ、楽しい話を聴きにお越しください。