冷たい雨の降る日が続き、太陽の暖かみが恋しくなりますね。
本日は千葉大学の野本知理が案内役を務めました。
私たちの体に重要なビタミンや料理に不可欠な調味料、これらが
どんな原子や分子で出来ているかご存じでしょうか?例えば砂糖。
分子式をかけるという人もいらっしゃるかもしれませんが、
どんな形でしょうか?いろいろな種類の分子の立体的な構造を
紹介しました。
次は打って変わって宇宙のお話です。私たちの地球の公転速度を
少し速くしたら、突然、太陽が増えたり減ったりしたらどうなる
でしょうか。さらに太陽系を飛び出して隣の恒星であるαケンタウリ
という星から見た星空を眺めたり、恐竜が生きていた頃の地球の
星空を眺めたり、光の80%の速度で地球からベテルギウスに
星間旅行したりしました。どんな眺めになるか、想像つきますか?
答えはwebではなく科学ライブショー「ユニバース」でどうぞ。
また「ライブ天体観測」では小惑星が移動しているムービーと
散開星団のM52、そしてNGC1763という星雲の一種を紹介しました。
M52散開星団
NGC1763
最後に、「ゲストコーナー」としてJAXA宇宙科学研究所の矢野創さんを
お招きして「たんぽぽ・国際宇宙ステーションで行うアストロバイオロジー
実験」という題でお話しいただきました。
皆さんは生命がどこから来たのか、一度考えたことはあるでしょうか?
生命には有機物と水とエネルギーが必要で、そのすべてを含んでいる
海から生命が生まれたと言われています。そして海水やその生命の
原材料は、なんと宇宙から来た塵に含まれていたとのことです。現在でも
年におよそ4万トンもの塵が宇宙から降り注いでいます。この塵(宇宙塵)を
調べることで生命の源が更に分かるかもしれません。宇宙から来る塵は
もちろん、地球から宇宙へ達する塵もあるかどうか調べる為に、2014~5年
から最長3年間、国際宇宙ステーションに、とても密度の小さいガラス
(エアロゲル)を用いた塵採取の実験「たんぽぽ」が行われるそうです。
このたんぽぽで用いられるエアロゲルは、採取の際の衝撃や熱による
塵の変成をできるだけ少なくした画期的なものだとか。さらに、惑星探査
でも似た実験が使えないかと考えているのだそうです。土星の衛星の
エンケラドスは今も地下の海から氷粒を噴出させていて、その中には
有機物が含まれていることが分かっています。この氷を「たんぽぽ」の
技術で採取し、宇宙ヨットの「イカロス」と小惑星探査機「はやぶさ」の
技術で土星から持ち帰ることが可能となれば、遠からず地球生命の
「隣人」が見つかるかもしれません!地球上の生物学を、物理や化学と
同じように宇宙のどこでも通用する学問に飛躍させて、宇宙からの
視座で生命とは何かを考えるのが、今回のタイトルにもある「アストロ
バイオロジー」なのです。