9月20日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は矢治健太郎(国立天文台)が案内役を
務め、お送りしました。
最初のコーナーは「太陽系の姿」です。間違い探しや惑星の名前当てゲームをしながら
太陽系の惑星たちを眺めながら3D映像の中で宇宙旅行をしました。途中、小惑星の群れ
の中を通過するときには歓声が上がっていました。その後太陽の近くまで来て、実際
に観測した太陽の画像を見ました。太陽の活動が活発になると、黒点が増えたり、
フレアという爆発が起きたりします。このとき大量の高エネルギー粒子が地球に届くため、
今月フレアが起こったときはGPSへの影響や通信障害などが心配されていました。
幸いそこまで大きな爆発ではなかったため障害は起こらず、北極や南極ではきれいな
オーロラを観測することができたそうです。日本でも起こるかもしれないという予想も
あったそうですが、残念ながら見ることはできませんでした。
ここで一度地球に戻り、今日の星空を眺めました。20時ごろだと秋の星座を見ることが
できます。W字型の星座はカシオペヤ座といって、この星座からは北極星を見つける
ことができます。またカシオペヤ座のすぐ東には秋の四辺形と呼ばれる長方形の星の
並びがあり、ペガスス座の一部となっています。その付近にはカシオペヤの娘である
アンドロメダ座や夫のケフェウス座、そして神話の中でアンドロメダを化けくじらから
救った、ペルセウス座を見つけることができます。
ここでまた宇宙へ飛び立ち、天の川銀河を見渡せるあたりまでやってきました。銀河の
大きさはおよそ10万光年ですが、地球から見える、星座を成している星は地球から
大体1000~2000光年くらいの距離にあります。このくらいの距離の星でないと暗すぎて
地球から観測できないのですね。
続いて「ゲストコーナー」では、小谷太郎さん(東京家政大学)をゲストにお呼びして
「理系あるある~天文・宇宙物理篇~」というタイトルでお話しいただきました。
天文学者と聞くと、どんな人を思い浮かべるでしょうか?天文台にいて、ひげを生やし、
夜になると天体望遠鏡をのぞいて・・・童話や絵本などでそういうイメージを持つ人が
多いと思います。では実際はどうなのでしょうか。
小谷さんは普段、天体をX線で観測し研究しているそうです。X線は地球の大気に吸収
されてしまうため、人工衛星や宇宙ステーションに取り付けた望遠鏡で観測します。
これらを打ち上げたり作ったりするのも天文学者の仕事です。
また研究するときには、望遠鏡を打ち上げた組織に、こんな星を観測したいという
提案を出して審査を受ける必要があります。これに合格すれば観測され、そのデータを
もらって研究することができます。データはただの数字の並びなので、これを解析する
必要があり、このときはコンピュータを使用します。つまり天文学者といっても
望遠鏡を覗くのはごく一部であり、その望遠鏡も宇宙空間を飛んでいるなら、昼間でも
観測することは可能です。
また、理論や計算といった研究を主にしている天文学者たちは、望遠鏡すら使わず、
コンピュータのシミュレーションだけで研究をするそうです。そういった人の中には
「私たちの住む宇宙では起こらない種類の衝突を計算で見つけた!」といったことを
言う人もいるそうです。イメージとずいぶん違っておもしろいですね。
最後に銀河系から宇宙の大規模構造まで飛んで行った後、一気に地球まで帰って
きたところでショーは終わりました。科学ライブショー「ユニバース」では、毎週
様々なゲストを招いて、科学に関する内容を紹介しています。ぜひシンラドームに
足をお運び下さい。