9月13日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は野本知理(千葉大学)が案内役を務め、
上演いたしました。
まず、分子のミクロな世界を紹介しました。一番身近な分子である水分子は、
酸素原子に2つの水素原子がつながってできているんですね。その後も
アルコールや調味料などの身近なものが、ミクロにみるとどんな形をしているのか
見ていきました。お砂糖やお酢などは、炭素や水素などの原子がたくさん
つながってできているのですね。それに対して塩は、2種類の原子が交互に
規則的に並んだような構造をしていることがわかります。それぞれナトリウム、
塩素と呼ばれる2種類の原子たちが、温度を上げていったときにどのような
振る舞いをするか、シミュレーションで実験しました。シミュレーションでは
4000度まで塩の温度を上げてみました。
続いて、宇宙の話では、もしも太陽系から太陽が消えたらどうなるのか、
太陽系に太陽が2つ以上存在したら、地球や火星などの惑星はどうなるのか
見てみました。太陽系に太陽がいくつもあると、太陽同士がくるくる回ったりと、
通常の太陽系の動きからは想像できない、とても奇妙な動きをすることが
分かります。気になる方はぜひお越し下さい。
次に、アメリカのヤーキス天文台と中継をつなぎ、「ライブ天体観測」を行ない
ました。マイクさん、アマンダさんから、ヤーキス天文台で観測した写真を送って
いただき、それぞれについて説明していただきました。星が爆発したときに
ガスや塵などが空に舞っている様子や、きれいな光の粒がたくさん集まった
散開星団、天王星の月、それからプレアデス星団(すばる)などの写真を
皆さんと一緒に楽しむことができました。リアルタイムの中継に、お客様も
とても盛り上がっていました。


uranus.png
図:天王星とその惑星
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図:散開星団
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図:ヤーキス天文台とすばる

最後に、「ゲストコーナー」では東京工業大学地球惑星科学専攻の田畑美幸
(たはたみゆき)さんに「動物誕生の地球」というタイトルで、動物が誕生した
ときに地球がどのように変化したかについてお話いただきました。地球は
46億年前に誕生しましたが、実は生物が誕生したのはかなり最近の話で、
その中でも我々人間が誕生したのはもっと最近になります。では、一番最初に
生物が誕生したときに、地球ではどのようなことが起こっていたのでしょうか。
田畑さんは岩石の中の成分を解析することで、生物が誕生したときの地球を
調べているそうです。岩石の中には軽い炭素と重い炭素がありますが、この
軽い炭素と重い炭素の比(同位体比)を調べると昔の地球の状態について
様々な情報が得られるそうです。大昔、海にはたくさんの小さな有機物が
分散されたヘドロのような状態にありましたが、動物が誕生することによって、
それら小さな有機物は大きな有機物となって海の下に沈み、その結果、海が
今のような透き通る綺麗な状態になったそうです。石にはたくさんの地球の
歴史が刻み込まれているのですね。
本日も、たくさんのお子様にお越しいただき、とても楽しいショーを送ることが
できました。皆様もぜひ、科学の楽しさを実感しに「ユニバース」にお越し下さい。