12月16日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は、野本知理(千葉大学)が案内役を務め、国立天文台ハワイ観測所の藤原英明さんをゲストとしてお送りしました。

「ゲストコーナー」ではゲストの藤原さんに遠隔出演していただき、「すばる望遠鏡のお化粧直し」という題でお話ししていただきました。すばる望遠鏡はハワイにある国立天文台の望遠鏡ですが、その成果は定期的なメンテナンスに支えられています。今回のお話は、数年に1回行われる主鏡の「お化粧直し」について。今回初紹介となる立体視全天球写真とともに解説がありました。すばる望遠鏡の光を集める役割を果たす主鏡は直径8.2メートルあり、望遠鏡を使っていると埃や火山灰などによって主鏡にくすみが出てきます。それらをなくし、きれいな状態の主鏡を準備するのが今回の「お化粧直し」です。

まず初めに望遠鏡から主鏡を取り外し、クレーンを使って下の階に吊り下げます。その主鏡を人の手によって水や洗剤を使って表面を洗い流します。そののちに薬品を使って表面のアルミニウムの層を取ることによって厚さ20cmの巨大な1枚のガラス板に戻し、その表面に傷がないかの検査を目視によって行います。この時、とても小さなものなど、ある一定の大きさのない傷はそのままにされますが、ガラス全体にダメージをあたえる傷はその周りをくりぬく処置をするそうです。その検査が終わった後にガラスを大きな窯の中に入れ、アルミニウムの層を蒸着させます。大きな主鏡にくっついているアルミニウムの総重量はなんと、アルミ缶と同じ20gくらいだそうです。一般的に使われるアルミ箔の100分の1の厚さだとか。とても薄いですね!

このような作業が今年の10月から先日まで行われ、なんと今日から観測に使われるのだそうです。この「お化粧直し」をされた主鏡を使っているすばる望遠鏡は宇宙の広い範囲の写真を撮ることが可能で、今は宇宙の地図を作るプロジェクトを進めています。どこに銀河やダークマターがあるのかなど、これからより一層研究が進んで、新しいことがわかるようになるといいですね。

今日の科学ライブショーではゲストコーナーのほかに「太陽系の姿」「分子の世界」「重力の不思議」をお送りしました。「重力の不思議」では現実的には物理の法則より起こることのない、シミュレーションならではの実験を行いました。

科学ライブショー「ユニバース」では毎回異なるゲストをお招きして土曜日に科学技術館にて上演しています。初めての方もそうでない方も、ぜひ科学技術館4階シンラドームにお越しください。

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