6月9日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は、矢治健太郎(国立天文台)が案内役を務め、
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構・量子ビーム科学研究部門・高崎量子応用研究所から杉本雅樹さんをゲストにお迎えしてお送りしました。

最初のコーナーは「太陽系の姿」です。
この夏は夜空にたくさんの惑星たちを観ることができます。そんな太陽系の惑星たちを紹介しました。また、今月上旬にニュースになった南アフリカに落下した小惑星「2018 LA」の紹介もしました。

「ゲストコーナー」では杉本雅樹さんに「量子ビームの不思議な力をプラスチックにこめて」というタイトルでお話をしていただきました。
杉本さんの所属する「量研」では量子ビームの研究をしています。
量子とは、ものをつくるとても小さな小さな粒の集まりのことです。そしてビームとはまっすぐで向きの揃った粒の流れのことです。
量子ビームの身近な例は思いつきにくいと感じる方が多いかもしれませんが、ウルトラマンのスペシウム光線やシンゴジラが吐き出すビームももしかしたら量子ビームかも知れません。
私たちの生活の中にも量子ビームを生かす方法が研究されています。
例えば、医療の現場では量子ビームをメスとして使う方法が研究されています。
これを使うことでがん細胞を量子ビームで取り除き、手術なしで日帰りで治療できることが期待されています。

また、量子ビームを使った新しい材料の開発も進んでいます。
ここで、杉本さんと会場のお客さまでプラスチックとお湯を使った実験を行いました。
実験に使った特別なプラスチックは、生分解性という土に還る性質を持っています。
生分解性プラスチックを熱いお湯に浸すと、柔らかくなり引っ張ると簡単に伸びてしまいます。
この生分解性プラスチックに量子ビームを当てるとお湯に浸したときの性質が変わるそうです。
量子ビームを当てた生分解性プラスチックをお湯に浸した後に引っ張ると、ゴムのように伸び縮みするようになりました。
また、伸び縮みを繰り返して少しくたびれたプラスチックを再びお湯につけると、形が元に戻りました。
このような性質の変化が起こるのは、プラスチックを形作っているひも状の分子が量子ビームを当てることによって網状に変化することで引っ張る力に強くなるためだそうです。
ライブショーの中で実験に参加できなかったお客さまにもライブショーの後に実験を楽しんでいただくことができました。

本日はこの他に「本日の星空」「宇宙の果てへ」をお送りしました。
科学ライブショーユニバースは毎週話題が変わる新鮮な科学ショーです。
土曜日の午後はどうぞ科学技術館4階のシンラドームへいらしてください。

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