5月4日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は、
矢治健太郎(国立天文台)の案内でお送りしました。
皆さんは、最近夜空を見上げて星を見たりしていますか?
最初のコーナー「太陽系の姿」では、
この時期に見られる春の星座についてご紹介しました。
うしかい座のアークトゥルス、おとめ座のスピカ、しし座のデネボラから
構成される春の大三角は、都会など夜空が明るいところでもわかりやすく、
それぞれの星座を見つける道しるべにもなります。
ぜひ、 空を見上げて探してみてください。
また、最近太陽の活動が弱まっているのではないか
という話を聞いたことはありますか?
太陽の活動度は、黒点の数から類推することが出来ます。
黒点の数は11年周期で増えたり減ったりしています。
今は増えている時期なのですが、前回増加した時期(約11年前)に比べると、
まだ黒点の数が少ないそうです。
今回のユニバースではこのような現在の太陽の様子について、
国立天文台太陽観測所や太陽観測衛星 「ひので」で
撮影した画像も交えてご紹介しました。
ゲストコーナー」では、国立天文台 RISE月惑星探査検討室
の山田竜平さんに お越しいただき、
「太陽系天体の中身を探る!?~かぐや、はやぶさの先へ~」
というタイトルでお話していただきました。
山田さんの所属されているRISE月惑星探査検討室では、
月や惑星の内部の構造や組成を調べることで、
そのような星たちがどの様に出来てきたか研究しています。
月がどの様な構造になっているか調べるためには、
月に探査機を飛ばして詳細な観測を行う必要があります。
山田さんたちの研究チームでは、JAXAなどと協力して
月周回衛星かぐや(SELENE)を2007年に打ち上げ、
様々な研究を行ってきました。
今回は、特に月の重力場を測定し、重力場地図を作ることで、
内部構造を探っていく方法についてお話しました。
また、かぐやでは、リレー衛星を中継器として用いることで、
今まで困難だった月の裏側の詳細な重力場地図を作ることにも成功しました。
かぐやの活躍で、月の様々なことがわかってきましたが、
月の中心部がどうなっているかなど、まだたくさんの謎が残っています。
これらの謎を解明するため、かぐやの後継機となる
SELENE-2の開発も進んでいるとのことなので、
これからが楽しみですね。
かぐやの他にも、小惑星探査機であるはやぶさについても
ご紹介していただきました。はやぶさでもイトカワの重力を
計測することにより、質量を推定しました。
これにより、イトカワの平均密度が地球に比べて
3分の1程度と非常に低いことがわかりました。
これは、ラブルパイル構造と呼ばれる
瓦礫を積み重ねたような構造になっているためだと考えられています。