本日のライブショーは千葉大学の野本知理が案内役を務め、
4つのコーナーでお送りいたしました。
はじめに、「分子の世界」をCGモデルを用いて見ていきました。
1回目の上演では砂糖のような身近な調味料などを、
2回目はビタミンのお話をクイズ形式でお届けしました。
また、食塩の形では、熱を持っていることによってふらふら原子が
揺れる事に注目して、温度が変化すると食塩の分子が
どのように変化するか見ていきました。
次に「ライブ天体観測」を行いました。
今までのとてもスケールの小さい世界から変わって、太陽系の姿を見ていきました。
地球に近づいて日本の位置を見た後で、
ライブショーの時間は夜になっているアメリカに移動し、
シカゴのヤーキス天文台に着陸しました。
ヤーキス天文台のビビアンさんにSkypeで電話して、
実際に撮影した天体を紹介していただきました。
今回はM3やM13、M92など星が一万個以上集まった球状星団の画像をご覧いただきました。
特にM92は中心にブラックホールがあると言われているそうです。
この日はシカゴ大学の学生のみなさんも天文台に来られていて、
お客様にお見せした写真の撮影を行ってくださったのだそうです。
M92球状星団
続いて、「太陽系の姿」を見ていただきながら、
ある日突然地球の公転速度が速くなったらどうなるか?
ある日突然太陽がなくなったらどうなるか?
ある日突然太陽系内に複数の太陽ができたらどうなるか?と
3つのシチュエーションを作ってシュミレーションを行いました。
お客様に質問を投げかけながら、どのように動いていくか見ていきました。
最後に東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター
の本原顕太郎さんに「世界で一番高い天文台をつくる」という
タイトルでお話をしていただきました。
現在の天文学は人間が見ることのできる光、可視光だけではなく、
目に見えない赤外線や紫外線、X線など様々な光を用いて観測されています。
その光の違いによって天体の見え方が異なりますが、
その中でも赤外線は星間塵に隠されたものが見える、
温かいものが見えるという2つの特徴を持っています。
しかし、地上付近では大気中の水蒸気やオゾン、メタンといった物質が
赤外線を吸収してしまうので、より乾燥していてより高い場所に
望遠鏡をつくることが、よりよい観測に繋がっていきます。
現在TAOという口径6.5mの大型望遠鏡の計画が進められていて、
これはチリのチャナントール山という標高5600mの場所に
つくられる予定です。この場所は晴天率が90%で周りは砂漠なので
赤外線の観測にとても向いているそうです。
現在この場所には口径1mの望遠鏡があり、テストを行っています。
この場所は標高が高いので高山病になりやすく、
またふもとの宿泊場所から観測所まで往復4時間かかり、
紫外線がとても強いなど、観測する人間にとってはとても大変な場所とのことです。
TAOは2013年建設開始、2017年ファーストライトの予定です。
その時がとても待ち遠しいですね。