9月14日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は伊藤哲也(国立天文台)が
案内役を務め、ゲストに日下部展彦さん(国立天文台)をお迎えして
お送りしました。
本日はイプシロンロケットの打ち上げ日でした。1回目の開始前、
来場者の皆さんとロケットの打ち上げ生中継を見ることができました。
その後は夜空を見上げ、カシオペヤ座や北斗七星を使った北極星の
見つけ方を紹介し、宇宙へと飛び出しました。宇宙からも形が
特徴的なオリオン座が見え、オリオン座を構成するベテルギウスが
もうすぐ爆発するのではないかという説も紹介しました。宇宙から
地球を見てみると、日本がお昼の時間でも反対側の国々は夜である
ことがわかります。次は夜の地域のひとつ、アメリカ・シカゴの
ヤーキス天文台とつなぐコーナーです。
「ライブ天体観測」では、ヤーキス天文台にいるビビアンさんとの
セッションを行いました。ヤーキス天文台でで撮られた、木星や
M77渦巻銀河、M1かに星雲、天王星などを紹介しました。日にちを
かえて撮影した天王星の画像を交互に見ると、天王星の衛星が
天王星の周りを確かに公転していることがわかります。


jupiter.png
図:木星
M77.png
図:M77
M1.png
図:M1かに星雲
uranus.png
図:天王星とその衛星

「太陽系の姿」では宇宙飛行をしながら、地球の周りを回る月や
太陽系の惑星を紹介した後、先日大きく話題となった探査機
ボイジャー1号の太陽系離脱についてお話しました。
「ゲストコーナー」では日下部展彦さんに「惑星誕生の現場を探れ」
と題してお話していただきました。太陽系内の惑星やもっと遠方の
太陽系外の惑星(系外惑星)は、ガス円盤の中でチリやガスが集まって
誕生します。日下部さん達の研究チームSEEDSは、ハワイのすばる
望遠鏡を用いて、系外惑星の誕生している現場を探っています。
この研究で重要になるのが、すばる望遠鏡のナスミス焦点に取り
付けられたHiCIAOという装置です。HiCIAOは非常に明るい星の
周りにある暗い星や惑星を観測するために使われます。この装置の
おかげもあり、日下部さん達の研究チームはぎょしゃ座AB星のガス
円盤の詳細な観測に成功しました。ぎょしゃ座AB星のガス円板は
惑星誕生の現場であると考えられています。
今度は太陽系からさらに離れて天の川銀河を飛び出し、天の川銀河を
横から眺めました。黒いスジのように見える、星の材料となる星間
ガスが見えます。さらに離れていき、たくさんの銀河があることや
宇宙背景放射と呼ばれる3K放射の揺らぎを見た後、地球まで帰って
きました。
最後には国際宇宙ステーション(ISS)や日本人宇宙飛行士である
星出さん、若田さんのご活躍をお話した後、私達でも地上からISS
を確認する事が出来るホームページの紹介をしました。
科学ライブショー「ユニバース」では毎週異なる案内役、ゲストの
方と共に様々な科学の話を紹介しています。 夏が過ぎ、段々と秋が
近づいてきましたが、読書や芸術だけではなく、科学の秋を楽しんで
いただけるシンラドームへどうぞお越し下さい。