9月7日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は、矢治健太郎(国立天文台)が
案内役を務め、ゲストに西塚直人さん(国立天文台ひのでプロジェクト
特任研究委員)をお招きしてお送りしました。
秋といってもまだまだ暑い日が続いていますね。夜空を眺めてみると、
夜の8時ごろには夏の星座が今も空高く 見えています。例えば、七夕
伝説で有名なこと座のベガ(織姫星)やわし座のアルタイル(彦星)が
見え、これら2つの星とはくちょう座のデネブを結ぶと夏の大三角が
できます。ぺガスス座やアンドロメダ座など、秋の星座もよく見える
季節になりましたね。みなさんも、夜に星を眺めて色々な星座を
見つけてみてはいかがでしょうか。
今日は太陽の画像をたくさん紹介しました。三鷹の国立天文台で撮影
された最近の太陽の画像では、太陽表面の温度の低い部分である黒点
(低いといっても約4000度) が見られます。他にも国立天文台の
太陽観測所で観測したフィラメントの消失や、 太陽フレアの動画を
ご覧いただきました。ちなみに、太陽フレアは地球にも影響を及ぼし、
オーロラや通信障害・停電の原因になることもあります。さらに、
太陽観測衛星「ひので」による、地上では観測できないX線で撮影
した太陽の画像もご覧いただきました。
「ゲストコーナー」は、西塚さんに「太陽彩層ジェットを地上
プラズマ実験で初めて再現」と題してお話しいただきました。
昼間に空で輝いている太陽は地球の109倍もの大きさがあり、寿命は
約100億年と言われています。そんな太陽の表面の温度は約5500度
あり、その外側の彩層という部分は約1万℃、さらに外側のコロナは
100万度ととても熱くなっています。・・・あれ?太陽は中心から
外側に行くにつれてだんだんと温度が下がっていくはずなのに、
なぜ太陽表面よりもさらに外側のコロナの方が高温なのでしょうか。
これは太陽の大きな謎のひとつです。この謎を調べるために、
コロナだけではなく、 彩層も見る必要があります。彩層の映像を
見てみると、激しく活動し、何かが噴き出していることがわかり
ます。 この噴き出しているのが、「太陽彩層ジェット」です。
この様な現象が起きるのには、磁場が関係していると言われています。
これを調べるために、実験で100万~1000万度のプラズマを作り、太陽の
彩層と同じ現象を作り出すことに挑戦しました。その結果、約1000万
度のプラズマを作るのに成功し、アルフベン波という磁場の波も
観測できました。これから、このコロナの謎が今後どう解明されて
いくのか非常に楽しみですね。
今回は太陽の話が盛りだくさんだった科学ライブショー「ユニバース」は
様々なジャンルのゲストをお招きして毎週科学のお話をお送りしています。
みなさんとシンラドームでお会いできるのを楽しみにしています!