4月23日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は亀谷和久(国立天文台)が案内役を
務め、ゲストに上土井大助さん(宇宙航空研究開発機構)をお迎えしてお送りしました。
まずは科学技術館前の写真からスタート。写真から現在の空の様子が映し出された
シミュレーションに切り替わり、時間を進めて「本日の星空」をみなさんと
見ていきました。
季節はすっかり春となり、20時になると西の低い空にはオリオン座や冬の大三角形などが、
南にはしし座などの春の星々が見えます。しし座のすぐ下に見える明るい星は木星です。
都内の明るいところでも見ることができるのでぜひ探してみてください。
続いて地球を飛び出し宇宙へ。ライブショーが行われている時間、日本は太陽に照らされ
ているので昼ですが、日本の反対側にあるアメリカは夜ですよね。そこで、シカゴ郊外に
あるヤーキス天文台の研究員のみなさんと中継を繋いで「ライブ天体観測」のコーナー。
研究員のKoreyさんには事前に観測していただいた渦巻銀河(NGC2903)、木星と3つの
衛星、子持ち銀河(M51)の画像の解説をしていただきました。


m51.jpg
図:M51

再び宇宙空間に戻り、太陽系の惑星たちを確認したら今度は銀河の世界。
銀河団などを見つつどんどん遠くへ離れ、宇宙の果てまで行ったところで地球に
戻ってきました。
本日の「ゲストコーナー」では、上土井さんに、「宇宙に発電所を作る!」と題して
お話しいただきました。
上土井さんが研究していらっしゃるのは「宇宙太陽光発電所」という構想で、
名前の通り宇宙に太陽光発電所を作ろうというものです。
なぜ宇宙に作るのかというと、地上と違って天気に左右されない、1年間通して
ほとんど夜が来ない、広い空間を確保できるという3つの大きなメリットがあるから
なのだとか。
では、宇宙から地上までどのように電気を送るのでしょうか。宇宙から電線を
引くわけにはいかないので、電波の一種であるマイクロ波を使って送るのだそうです。
マイクロ波は携帯電話の通信や電子レンジに使われている電波の一種です。
電子レンジはこの電波を強めることで食べ物が温まる仕組みになっていますが、
宇宙から送られてくるマイクロ波は弱めて送るため、人や生き物などには影響が
出ないようになっています。
果たしてそんな仕組みで本当に電気を送ることができるのでしょうか。ここで、
上土井さんが実験で実際に見せてくださいました。板に針金を貼って、LEDを繋ぎます。
そこにトランシーバーから電波を送ると、LEDが光りました!トランシーバーに近づくと
LEDが明るくなり、遠ざかると暗くなって消えてしまいます。この仕組みを使って地上に
電気を送ります。
2km四方の太陽光発電で原子力発電所1基分の電力を発電することができるとのことですが、
そんな大きいものを打ち上げて組み立てるのはとても大変です。そこで、上土井さんは、
宇宙空間でパネルを組み立てることができる装置を開発しているのだそうです。
地上では重力がはたらいているので、実験は装置を吊り下げて無重力を模擬した状態で
行われるのですが、吊り下げワイヤの取り回しが大変なのだそうです。
宇宙太陽光発電の研究は大変ですが、地上とは違う良さがあります。
皆さんもぜひ調べてみてください!
科学ライブショー「ユニバース」は毎週土曜日に科学技術館4階のシンラドームで
行われています。
最新の科学の話題を聞きに足を運んでみてはいかがですか?