1月19日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は、伊藤 哲也(国立天文台)が案内役を務め、ゲストに平松 正顕さん(国立天文台アルマプロジェクト)をお迎えしてお送りしました。

ライブショーは、「本日の星空のコーナー」8時の夜空から始まりました。
西の空には秋の四辺形を見ることができます。秋の四辺形はペガスス座の一部にあたります。
南の空には冬の星座で有名なオリオン座を見ることができます。オリオン座のベテルギウスとおおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、3つの星で冬の大三角になります。
星が良く見える場所に行っても、方角がわからないことがあるかもしれません。方角を知るには北極星を見つけるのが便利です。北極星は、カシオペアや北斗七星から探すことができます。

次に「太陽系の姿」のコーナーではいつもの説明に加え、昨日打ち上げられたイプシロンロケット4号機の紹介が行われました。中にはALE-1という人工流れ星の実現に世界で初めて挑戦する衛星も乗せられています。自分で思い描いたとおりに流れ星を流すことができたら素敵ですね。

続いては「ゲストコーナー」です。本日のゲストは、国立天文台アルマプロジェクトから平松 正顕さんをお招きして「アルマ望遠鏡が見た惑星の誕生現場」と題したお話をしていただきました。
アルマ望遠鏡は国立天文台が米欧と協力して運用している電波望遠鏡です。
空気がきれいで天気がいい場所が観測に向いているため、チリの砂漠にある標高5000mの場所に設置されています。3776mの標高を持つ富士山の約1.3倍もの高さです。
アルマ望遠鏡では、口径7mや12mの大きなパラボラアンテナが合わせて66台並んで一つの望遠鏡を作っています。そのアンテナの設置範囲は16㎞にわたり、山手線の中と同じ広さになります。
電波望遠鏡はアンテナを広い範囲に展開するほど角度分解能が上がり、細かいところまでよく見えるようになります。なんと、アルマ望遠鏡は「視力6000」相当の性能を持っています。これは、東京から大阪に落ちている1円玉を見わけることができるほどの分解能なのだそうです。
では、「視力6000」のアルマ望遠鏡は何を見ているのでしょうか。
電波望遠鏡は、目には見えない宇宙に浮かぶガスや塵、砂粒の雲を電波を通して見ることができます。この宇宙に浮かぶ塵や砂は星の材料となります。
アルマ望遠鏡で、450光年先にあるおよそ100万歳の誕生したての恒星の周囲の、塵や砂でできた円盤を観測しました。
この結果この円盤に、同心円状の隙間があることが分かりました。
この隙間ができる理由として、新しい惑星ができて砂粒を集めているという天文学者もいます。しかし恒星ではこれほど早い段階で新しい惑星ができるとはこれまで考えられてきませんでした。本当なら、教科書の内容を書き換えなければならない驚きの発見です。この隙間が惑星が形成された結果なのか、それとは別の作用により生じた隙間なのかはまだ議論が続けられています。
これ以外にも様々な観測結果が報告されています。これからも、アルマ望遠鏡には世界中の天文学者をあっと言わせるような結果をだしてほしいですね。

次に「宇宙の果てへ」では、天の川銀河の様子を見たのち、どんどんと離れていき、様々な銀河の作る大規模構造、そしてWMAP衛星による宇宙の背景放射の分布も見ました。
最後に地球にもどってからは、「国際宇宙ステーション」の紹介と日本人宇宙飛行士の活躍についてをお話し、本日のライブショーを締めました。
本日参加した子どもたちの中にも、将来宇宙に飛び立つ人がいるかもしれません。

科学ライブショー「ユニバース」では毎週様々なゲストをお呼びして科学の話題をお送りしています。
ぜひ科学技術館4階シンラドームへお越しください。

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