3月9日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は、伊藤哲也(国立天文台)が案内役をつとめ、
ゲストに高倉理さん(東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構(IPMU)・特別研究員 )をお迎えしてお送りしました。

まずは「本日の星空」のコーナー。時間を進めて今夜20:00の星空を見に行きました。
西の空には赤い火星が目立っていました。また、おうし座、すばる星団、オリオン座といった冬の星座の代表格の姿もありました。
カノープスは南の空の地平線近くに見えます。東の空にはしし座をはじめとする春の星座が顔を出しています。
「北極星」は北の空に輝く星ですが、北斗七星やカシオペア座をまず見つけると、探しやすくなります。

星空を見た後は地球を飛び出し、「太陽系の姿」のコーナー。火星と木星の間には「小惑星帯」があります。
先日、「はやぶさ2」がタッチダウンしたことで有名になった「リュウグウ」も、その小惑星帯にあります。
はやぶさ2は2020年末に地球に帰還する予定だそうで、今後の研究の進展が楽しみです!
さらに太陽系を遠ざかり、無数の恒星の間を通り抜けて、天の川銀河まで行きました。最近、恒星の誕生に関する重要な現象がアルマ望遠鏡によって観測されました。原始星の中央から2種類のガス流が噴き出しているようすを画像とともに紹介しました。
そしてもっと遠ざかり、銀河団、さらには「宇宙の果て」へと行きました。

続くゲストコーナーでは、高倉 理さんに「氷雲~宇宙の果てが見たいのに」と題してお話しいただきました。
高倉さんはまさにこの「宇宙の果て」を詳細に見るための研究をしています。宇宙の果てでは、「宇宙背景放射」が見られます。
偏光という「向きをもった光」でみると、宇宙背景放射には渦状の「ゆらぎ」があるのがわかるそうです。
このゆらぎは、宇宙誕生とも言える「ビッグバン」の直前に起きた「インフレーション」の名残なのだそう。
高倉さんは、南米のチリ・アタカマ高原に設置したPOLARBEARという望遠鏡で「宇宙の果て」を観測しています。
アタカマ高原は乾燥しており、標高が高く観測に適しています。このPOLARBEARサイトでは雲の中の氷の粒が太陽の光を散乱して珍しい現象がみられることがあります。例えば、その一つがきれいな「環水平アーク」です。
しかし雲よりも上にある宇宙を観測する上では、このような雲がないほうが良いのです。
実際、地上の熱放射が雲によって散乱されるので、電波で観測する宇宙背景放射のデータにノイズが生じてしまいます。
雲によるノイズを除去するため、赤外線カメラや360°カメラを使用して雲の動きをとらえようとしているそうです。
今後「宇宙の果て」の観測が進み、その詳細が明らかになる日が楽しみです!

最後は地球に戻り、国際宇宙ステーションを見ました。ここでは、日本人宇宙飛行士の活躍を紹介しました。

科学ライブショー「ユニバース」では毎週様々なゲストをお呼びして科学の話題をお送りしています。
ぜひ科学技術館4階シンラドームへお越しください。

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