11月12日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」では平松正顕(国立天文台)が案内役を務めました。

はじめの「本日の星空」のコーナーは秋の星座と惑星の話題から始まりました。
本日の20時頃には頭の上の高い空にペガスス座が見えています。ペガスス座の四角形の下を見ると秋の星空で唯一の一等星であるフォーマルハウトを見つけることができます。これはみなみのうお座の星です。さらに西に目を移すと、こと座、わし座、はくちょう座などの夏の星座を見つけることができます。こと座のベガとわし座のアルタイルは七夕の織姫と彦星としても知られています。その他に見える明るい星たちは地球と同じ太陽系の惑星です。南の高いところには木星、その少し西側に土星、更に東を見ると火星と天王星が見えます。

時間が進んで23時頃になると、冬の星座たちが昇ってきます。東京の明るい夜空でも簡単に見つけることができる明るい星座はオリオン座です。オリオン座には、1等星のベテルギウスとリゲルがあります。それよりも高い位置には、おうし座やふたご座を見つけることができます。低い位置には、こいぬ座やおおいぬ座が昇ってくるのを見ることができます。オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオン、おおいぬ座のシリウスを結んでできるのが、冬の大三角です。

今週火曜日の2022年11月8日には『皆既月食』という天文現象がありました。今回は惑星食が月食と同時に起こるとても珍しい皆既月食で、全国的に晴れたこともあり、各地で中継が行われるなどとても話題となりました。実際に見られた方も多いのではないでしょうか。
本日のライブショーでは国立天文台が撮影した映像や画像をご紹介しながら今回の皆既月食を振り返りました。
国立天文台が公開している映像では小さな少し青い色をした天体が月の裏側に隠れていくのがわかります。これが天王星です。天王星は6等星であり、明るく目立つ惑星ではありませんが、望遠鏡を使って撮影した映像ではその姿がはっきりと見えます。なんと、今回のように月食の最中に惑星食が日本で見られたのは織田信長がいた443年前なんだそうです。次回、月食が見られるのは2025年9月8日午前2:30~3:53だそうです。すこし観測しにくい時間帯ですが、次回もぜひお楽しみください。

さらに本日は、地球から飛び出して月食という現象の説明をしました。宇宙から見ると太陽と地球と月が一直線に並んでいます。月の背側に回って太陽を見ると、ちょうど地球と太陽がかぶさって影になっている様子を見ることができました。さらに、地球の背側に回ると天王星と月と地球が一直線に並んでる様子が分かりました。
今回の皆既月食は太陽・地球・月・天王星が一直線にならんだとても珍しい現象だったことを実感することができました。

ここからは、地球を離れて太陽系のご紹介をしました。太陽系には8つの惑星があり、全部がそれぞれの速さで太陽の周りを回っています。
さらに遠ざかると、太陽系がある天の川銀河の姿が見えます。天の川銀河の中には太陽のような星が約1000億個も存在しているそうです。天の川銀河を横から見ると薄い円盤のような形になっているのが分かります。私たちが見る天の川は、天の川銀河をその中から眺めた様子なんです。
さらに遠ざかって見えるのは、世界中のいくつかの望遠鏡で作られた宇宙の地図です。ここまでくると、地球からは15億光年ほど離れています。『光年』とは、距離を表す単位で、光が一年間に進む距離を表しています。つまり、地球から見える10光年離れた星は、その星の10年前の姿なんです。天文学者はこのように遠く離れた星を観察することで、大昔に宇宙で起こった出来事を調べようとしています。138億年前に起こったと言われるビッグバンの後に何が起きたかも、遠く離れた星を観測することで明らかにすることができるんだそうです。今の技術を駆使して遠く離れた星を見ることで昔のことを知る、あこがれのお仕事ですね。

科学ライブショー「ユニバース」では毎回さまざまな科学の話題をお送りしています。
ぜひ科学技術館4階シンラドームへお越しください。

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