5月28日@科学技術館

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本日のユニバースは矢治健太郎(立教大学)が案内役を務め、ゲストに
相馬央令子さん(JAXA/ISAS)をお招きして上演致しました。
まずは太陽系の姿を見てみました。惑星同士を比較して、それぞれ
さまざまな特徴を持っていることを知りました。例えば、木星の自転の
速さを紹介しました。木星は地球の10倍程度の大きさがありながら
とても速く自転します。どのくらい速いか知りたい方は、是非科学技術館へ
お越し下さい。
太陽系を眺めた後は、ヤーキス天文台とのライブ天体観測を行いました。
ヤーキスはあいにくの曇り空でリアルタイムでの星空を見ることは
できませんでしたが、事前に観測してもらっていた天体写真を紹介しました。
今日紹介した写真はリング状星雲、2種類の渦巻銀河、土星、海王星です。
土星には実際に環があることが実感でき、海王星の衛星も見ることが
できました。


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図:M57の天体写真
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図:土星の天体写真

最後のゲストコーナーでは相馬さんからお話いただきました。タイトルは
「太陽光で進む宇宙ヨット『IKAROS(イカロス)』ー打ち上げ1周年ー」です。
一年前に打ち上げられたイカロスは宇宙版のヨットです。地上のヨットは
風の力を利用しますが、イカロスは太陽の光の力(圧力)を利用します。
しかし、太陽の光から受ける力はとても小さいために、力を受けるための帆は
軽く、薄く、紫外線や放射線に強いものでなければなりません。この構想は
100年ほど前からありましたが、技術的な困難のために帆をつくることが
できませんでした。そのような困難な開発ですが、実は2年半でイカロスは
開発されました。帆の厚さはわずか7.5μm、髪の毛の10分の1程度です。
帆を広げた大きさは14m四方になります。帆はロケットにきれいに円筒状に
巻きつけられた状態で打ち上げられ、宇宙に出てから帆を広げます。
イカロスには様々な機能があります。カメラを途中で宇宙に放出して
自身の帆を広げた姿の撮影をすることができ、実際に撮影された写真を
見せていただきました。他には厚さ25μmの太陽電池が帆に取り付けられて
いたり、帆の一部は液晶によって色を変えることができ、それにより
帆の向きをかえたりすることができます。イカロスは全てのミッションを
成功させ、現在は金星を通り過ぎて最終的には太陽の人工惑星になるそうです。
楽しい話題盛りだくさんのライブショーにぜひお越し下さい。