本日の科学ライブ「ユニバース」は矢治健太郎(国立天文台)が案内役を務め、
上演いたしました。天気もよく、春らしい陽気のなか、満員のお客様をお迎えしての
上演となりました。
「太陽系の姿」のコーナーでは太陽系を構成する惑星などについて、間違い探しや
クイズを通してその特徴をみなさんと一緒に探っていきました。太陽系の真ん中に
いる太陽の様子も紹介しました。今日の黒点の様子やここ数年の黒点の数のグラフを
見ました。三鷹の国立天文台に設置されている望遠鏡で太陽を観測していたことを
ご存じでしたか?
「ゲストコーナー」では坂井南美さん(東京大学大学院理学系研究科)に「生まれつつ
ある原始惑星系円盤で劇的な化学変化:かつて太陽系も経験したか?」というタイトルで
生まれたばかりの星についてお話いただきました。
生まれたばかりの赤ちゃん星である原始星は回転する円盤状の濃い塵(ちり)やガスを
まとっていて、私たちの目に見える可視光では円盤の中の方や原始星そのものを見る
ことはできません。そこで坂井さんはおうし座にあるL1527と呼ばれる分子雲を電波で
観測しました。南米チリにあるALMA(アルマ)望遠鏡を使ったそうです。電波で観測
することで、原始星の周りの塵の化学組成の変化を研究しているそうです。これまでは
円盤の外側のガスや塵は原始星の周りを回転しながら、とどまることなく原始星に落ち、
化学組成が円盤のなかで急激に変化しないと考えられていましたが、L1527ではガスが
落ちる途中、原始星から100天文単位のあたりで劇的な化学変化が起きていることが
わかったそうです。これは遠心力でガスがとどまって原始星に落ちにくくなっている
ことが原因と考えられています。100天文単位は太陽系とほぼ同じ大きさであり、
このような劇的な化学変化は私たちの太陽系も経験した可能性があります。太陽系
形成の歴史も解き明かすことができるかも知れません。
春休み中ということもあり、本日は多くの小中学生がいらっしゃいました。
今回のライブショーでより天文学や宇宙に興味を持たれた方も多いのでは??
もしかしたら将来研究者になる人もいるのかも…。
科学ライブショー「ユニバース」は毎週様々な案内役、ゲストを迎えて科学に関する
話題を紹介しています。シンドラームへどうぞお越し下さい!
4月5日@科学技術館
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