3月29日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は伊藤哲也(国立天文台)が案内役を
務め、上演しました。
まず、夜8時ごろの空を眺めてみると、しし座、かに座、おとめ座など春の星座が
よく見えるようになりました。火星や木星といった惑星も見えています。火星は
2年2ヶ月に1回地球に接近し、4月14日に小接近をします。今、火星が見やすい
時期なので、夜空で赤く輝く火星をぜひ探してみてください。
「ゲストコーナー」では、上野遥さん(埼玉大学)をお招きして「ガンマ線
バースト~宇宙最大規模の爆発現象~」というタイトルでお話しいただきました。
ガンマ線は電磁波の一種ですが、地上から見ることができないので、人工衛星を
打ち上げて観測をします。宇宙には色々な爆発があります。オーロラの原因となる
太陽フレア、太陽より数倍重い恒星の最期に起きる超新星爆発、宇宙の始まりに
起きた大爆発ビッグバンなどがありますが、その中でもガンマ線バーストは
数十秒で太陽が100億年かけて発生させるエネルギーを発するほど、非常に
大きな爆発です。ガンマ線バーストは、重力崩壊でブラックホールができる
ときに出てくるジェットが、地球の方向をむいたときに観測されるのではないかと
考えられています。100億光年以上先で起こるガンマ線バーストですが、2013年には
これまでの観測史上、もっとも近い38億年先で起きたガンマ線バーストが観測されました。
ガンマ線バーストは非常に遠い宇宙に明るく輝く「灯台」で、過去の宇宙が
わかる可能性があります。屋久杉の年輪の組成研究から、過去に地球がガンマ線
バーストにさらされた可能性がみつかりました。まだまだ謎が多い現象で、
これからの発見にも注目ですね。
最後に、宇宙の果てまで行ってから地球に戻り、国際宇宙ステーション(ISS)を
ご覧いただきました。3月9日には若田宇宙飛行士が国際宇宙ステーションの船長に
なりましたね。
毎週様々な科学の話題をお送りしている科学ライブショー「ユニバース」へ
ぜひお越し下さい。