3月1日@ダーウィン生誕200年記念イベント 「ダーウィンを超えて――生物進化の最前線」

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皆さんはダーウィンという人を知っていますか?150年前に「種の起源」という本で進化論を発表した人です。今年2009年は、そのダーウィンが生まれてからちょうど200年目に当たります。
そこで本日はダーウィン生誕200年記念イベント 「ダーウィンを超えて――生物進化の最前線」として、3人の科学者の方々に「進化」の研究の最前線について様々なお話をしていただきました。
岡田先生には「ダーウィンの業績と最近の進化論の進展」「危機から生まれた哺乳類」というお話をしていただきました。岡田先生はアフリカのヴィクトリア湖に生息するシクリッドという魚を研究されておりこの魚は1万2000年という、進化の目から見ると非常に早い速度で多くの種類が誕生しました。もともとは同じ種でしたが、浅い場所では青い光・深い場所では赤い光というように水深によって届く光が異なることから、異なる水深に住むシクリッドは光を感じる遺伝子がそれぞれ異なる波長を見るようになりました。その結果、深い場所のシクリッドは赤い体の、浅い場所では青い体のシクリッドしか見えなくなりお互いに異なる種類へと進化していったそうです。
丸山先生は「全地球史からみる大量絶滅と生物進化」と題し、全球凍結(スノーボールアース)による気候変動などと、それに伴って生物が劇的に進化してきたことを紹介していただきました。丸山先生によると、地球と同じ条件の惑星でも全球凍結のような大量絶滅が無い場合人間のような生物が生まれるまで100億年近くもかかってしまうそうです。
そして、戎崎先生からは「真核生物の誕生と銀河環境の変化」というお話をしていただきました。銀河宇宙線が地球に降り注ぐ量によって地球の温度がどのように変化するのか、というお話や、黒点から見る太陽活動と歴史の中の出来事との関連性などをお話いただき、最後に、真核生物という私たちの体を形作る細胞構造がどのように出来たか、というお話をしていただきました。
「進化」は普段はあまり意識しない”言葉”ですが、ダーウィン生誕200年の今年、皆さんも「進化」について考えてみませんか?
お話をして下さった研究者の方々:
岡田典弘先生 (東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生体システム専攻)
丸山茂徳先生 (東京工業大学 大学院理工学研究科 地球惑星科学専攻)
戎崎 俊一先生(理化学研究所