6月22日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」南極特番は、亀谷和久(東京理科大学)を
案内役にお送りしました。
第一部では、科学技術館から見た太陽の動きと、宇宙から見た地球の動きを
見ました。時間を変化させてみると、地球は地軸を中心として回転している
ことがわかります。地軸の先には北極星がありますね。続けてりょうけん座
などのいくつかの星座を見ながら本日のトピックである南極へと向かいます。
前日はちょうど太陽が一年で一番長く出ている夏至でしたが、南極ではこの
日はいくら時間を進めても日が昇りません。これを極夜と言います。来場者の
みなさまと宇宙から一日中暗くなっている南極を眺め、南極の地上へと
着陸しました。南極は南半球なので、天の川が地上から昇るように見えたり、
南十字星が見えたりと、日本とは違った星空を見ることができますが、
さそり座など日本でもおなじみの星座も見ることができます。南極では
オーロラも見ることができます。今回は観測に行きやすいアラスカで撮影
されたオーロラの映像を眺め、オーロラはどうして出来るのか見ていきました。
第一部のゲストは情報通信研究機構/第52次・第53次・第54次日本南極
地域観測隊夏隊の北内英章さんです。南極に行くまでに南極観測船「しらせ」
という砕氷船に乗って行きます。南極は周りを天候が悪い海域に囲まれて
いるため、とても大きな「しらせ」でも、そこを通過するときは船が30度ほど
傾くこともあるそうです。実際の映像には船の上部まで水がかかり、船が
上下しているのが映っていて、大迫力でした。また、南極に近付くにつれて
氷を割って進んで行くことになりますが、どんどん進めるわけではなく、氷の
厚さが1.5メートルをこえると前進と後退を繰り返して反動をつけて割り
ながら進んで行きます。さらに厚くなり、5メートルをこえるとセンチメートル
単位でしか進めなくなるそうです。船が氷を砕きながら進む映像を時間を
縮めて見てみると、確かに進んでいることが確認できましたが、今度はこの
映像を実際の速さで見てみると、進んでいるのか判らないくらいの速さで
あったことがわかりました。これではとても時間がかかってしまうので、
観測隊はヘリコプターで先に昭和基地に向かいます。
南極ではペンギンやアザラシなどたくさんの生き物が生息していて、映像でも
好奇心旺盛なペンギンが近付いてくるのが見えました。ところで、南極には
観測隊の基地の他には氷の大地しか無いのでしょうか?来場者のみなさんに
1銀行、2郵便局、3コンビニの3択で、 実際にある施設を考えていただきました。
正解は郵便局で、普段は南極にいる方しか利用することは出来ないそうですが、
夏休みのイベントなどで南極を経由して郵便を出すことが出来るそうです。
ぜひ数万kmを旅する手紙を出してみてはいかがでしょうか?第一部の
最後には北内さんに持ってきていただいた南極の氷を触り、みなさんに南極を
感じていただきました。
第二部では、東京大学大学院理学系研究科/第54次南極地観測隊の福田
陽子さんに南極から中継でお話していただきました。日本よりも6時間遅いので、
南極時間の朝9時ごろからご出演いただきました。日にちはこちらと同じ6月
22日ですね。意外にも、昭和基地は南極大陸にはなく、島にあるそうです。
中継時の外気温は-15℃で、昭和基地の外の映像は白みがかった感じでした。
昭和基地の施設の説明を、事前に撮っていただいた映像を使って説明して
いただきました。
昭和基地の中心部は、居住棟、管理棟、発電棟と呼ばれる建物に分かれていて、
建物同士は通路棟(廊下)でつながっています。髪を切る場所などもあり生活に
必要なものは揃っているそうです。また、隊員一人が南極で食べる物の重さは
1年間で1tにもなり、その他にも人工で栽培できる野菜なども紹介していただき
ました。観測隊の人数は30人ですが、 観測者は半分くらいで、その他は
エンジニア、医師、調理師、大工、通信士など生活していくうえで必要な環境を
整える方で構成されています。
次に、福田さんが研究しているオーロラについて説明していただきました。
オーロラは主に電子が地球の大気に相互作用して発生します。そして、
オーロラには赤やピンクなどたくさんの色がありますが、その色は大気の
組成によって変わっていくそうです。昭和基地にはたくさんの観測機器が
あり、オーロラの速さの測定などを行っているそうです。福田さんへの質問
コーナーでは子供達からオーロラについての質問が多くあがり、思い思いの
疑問を投げかけていました。
1年後に帰ってきたときにまたお話をお聞きしたいですね。