7月13日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は
亀谷和久(東京理科大学)が案内役を務め、
ゲストに本間希樹さん(国立天文台 水沢VLBI観測所)
をお迎えしてお送りしました。
先日は七夕でしたね。みなさんは七夕の夜空にどんな願い事を掛け ましたか?
はじめに、七夕の主役、織姫と彦星を中心に本日の星空を眺めました。
街明かりが暗い場所に行かれた際には、ぜひ天の川を眺めてみて下さいね。
次のコーナーは「ライブ天体観測」です。
アメリカのヤーキス天文台にいるビビアンさんと生中継でセッションを行い、
本日の上演前に望遠鏡で撮っていただいた画像を紹介しました。
今回は、ぺガスス座の球状星団のM15、
こぎつね座の惑星状星雲のM27(あれい状星雲)
はくちょう座の散開星団のM29、おおぐま座の渦巻銀河のM101、
そしてへびつかい座にある渦巻銀河のNGC6384の5枚です。
球状星団は恒星がたくさん集まっていて、
また、散開星団は恒星がたくさん点在していてとても綺麗ですね。


M15.png
M15球状星団
M29.png
M29散開星団

ライブ天体観測を楽しんだ後は、宇宙旅行を行いました。
私たちの住む地球から遥か宇宙の彼方まで、
星々の間をすり抜けながら遊泳するのはとても幻想的で素敵です。
みなさんもぜひ、シンラドー ムにてこの感動を体験してみませんか?
宇宙旅行を楽しんだ後は、「ゲストコーナー」です。
ゲストの本間さんに
「天の川の流れをキャッチ! ~電波で見た最新の銀河系像」
と題してお話していただきました。
現在、日本ではVERAという天の川銀河(銀河系)の
地図を作成するプロジェクトが行われています。
これは、水沢(岩手県)、入来(鹿児島県)、石垣島、小笠原
にある4台の直径20mの電波望遠鏡を用いることで、
視力10万程度の直径2300kmものとても大きな仮想の望遠鏡を合成する
電波干渉計という技術により実現されます。
1年間の星の動きから年周視差を測定し、星の固有運動を観測します。
今回、このVERAから、天の川の回転に関する新事実が発見されました。
当初、太陽系近傍の星は天の川銀河において220km/sで動いていると思われていました。
しかし、今回の観測結果により実際には240km/sで動いていることが判明しました。
1秒間に240kmも進むと聞くと、とても速いイメージがありますが、
これでも天の川銀河を一周するのに2億年かかります。
天の川銀河が一回転するのを観察しようとすると、
孫やひ孫、玄孫の代でも全然足りませんね。
回転に関する計算には銀河中心からの距離と回転速度を用います。
回転速度が約10%増えると銀河の質量は約20%増える計算になります。
回転速度の増加により、暗黒物質がこれまでの観測結果よりも
多い可能性があることが明らかになったのです。
天の川 銀河の実態がこれからどんどん解明されるのが楽しみですね。
天の川銀河について思いを馳せたところで
本日の科学ライブショー「ユニバース」はお開きとなりました。
みなさんとシンラドームでまたお会いできるのを楽しみにしております。