8月31日@科学技術館

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本日の科学ライブショーは、案内役を野本知理(千葉大学)で
お送りしました。
はじめに「分子の世界」と題して、いろいろな分子モデルの
シミュレーションをご覧いただました。調味料やビタミンの
分子、食塩を構成するイオンは動いているとご存じでしたか?
続いて「太陽系の姿」をお送りしました。地球の公転の速度を
速くしたり
、太陽を消したり増やしたりすると、太陽系の様子は
どうなってしまうでしょうか。みなさんも想像してみてくださいね。
そして、夜空に光る星に飛んでいくことができる、「恒星間飛行」
コーナーでは、太陽系から一番近い星から見る星座の様子や、地球
から遥か遠い星に光の速さに近い速度で飛んでいくときの景色を
お楽しみいただきました。
最後にお送りしたのは、「ゲストコーナー」です。田村陽一さん
(東京大学大学院理学系研究科付属天文学教育研究センター)を
お迎えして「サブミリ波がかくされた銀河の誕生をあばく」と
題してお話していただきました。
田村さんが研究しているのは、「モンスター銀河」という初期
宇宙に存在する銀河だそうです。初期宇宙では、ガスが重力で
引き合い、星や星団が形成されていき、小さな銀河同士が
ぶつかり合って銀河が誕生します。この銀河では私たちの
天の川銀河の1000倍もの速さで次々と星が生まれている
ため、モンスター銀河というそうです。モンスター銀河は、目で
見える可視光で観測することができません。しかし、可視光
よりも波長が長いサブミリ波という電磁波では観測することが
できます。田村さんはチリのアタカマ砂漠にあるASTE望遠鏡で
観測しているそうです。みなさんは、チリのアタカマ砂漠が
どんなところかご存じですか?アタカマ砂漠は標高が5000mを
超える、人間には苛酷な環境です。しかし、空気がとても澄んで
いるので、天体観測には最も適した場所であるといえます。
今見せてていただいた、ASTE望遠鏡で観測されたモンスター
銀河の画像では、1億光年四方の大きなスケールの中にたくさんの
モンスター銀河が写っていて、初期宇宙にはモンスター銀河が
普遍的に存在しているということがわかりました。更に精細に
観測するために、同じチリのアタカマ高原にあるアルマ望遠鏡での
観測も行われ始めているそうです。これから、初期宇宙の銀河の
誕生について次々と新しい成果が出てくるのが楽しみですね。
残暑が厳しい日々が続いていますが、夏休みが終わっても
ユニバースでは新しい科学の話題をどんどん提供していきます。
皆様のお越しをお待ちしております。