1月9日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は伊藤哲也(国立天文台)が
案内役を務め、ゲストに鈴木大輝さん(総合研究大学院大学/
国立天文台)をお迎えしてお送りしました。
最初に本日の星空を見ていただきました。夜8時の東京の西の空
にはペガスス座の四辺形、南にはすばるやオリオン座、冬の大三角、
東にはぎょしゃ座やふたご座を見ることができました。
また、時間を進めて夜11時頃には木星が、2時頃には火星が
昇ってきて、早朝5時にはさらに金星と土星が加わり、明るい惑星
たちの共演になります。これらの星を見つける際に方角に困らない
よう、この季節はカシオペヤ座から北極星を見つけられるようになって
おきましょう。
地球を飛び立ち、宇宙から日本と北アメリカの位置を確認したら
次は「ライブ天体観測」のコーナーです。アメリカのシカゴにある
ヤーキス天文台で撮られた写真を送っていただき、現地から
ひまわり銀河などについて英語で解説をしていただきました。


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図:ひまわり銀河

「太陽系の姿」のコーナーで8つの惑星と冥王星、さらには
エッジワース・カイパーベルト天体まで見たら、続いて「ゲストコーナー」
鈴木さんに「宇宙と生命起源-生命の種から宇宙生物へ?」というタイトルで
お話しいただきました。
宇宙に生命が存在するためには、水が液体として海を形作るように、
適度な距離で恒星のまわりを回る惑星が必要です。現在まで太陽系外の
惑星は2000個以上見つかっており、水が存在する可能性があるものも
20個程度あるそうです。この数字はまだ探査の範囲が限られている段階の
ものなので、天の川銀河全体で水のある可能性がある惑星はまだまだありそうですね。
さらに、生命が誕生するにはタンパク質の素となるアミノ酸分子が必要であると
考えられています。このアミノ酸を含む隕石が地球に落下したことが
生命誕生につながった可能性があるそうで、宇宙空間をまねた実験によると
宇宙にたくさんある二酸化炭素や青酸(HCN)を原料としてアミノ酸が
作れるといわれています。
しかし、アミノ酸は太陽系外にはまだ見つかっていません。
現在、南米チリのアタカマ砂漠に日本も協力して建設した新しい
電波望遠鏡ALMAを使って、太陽系外にアミノ酸があるかを調べて
いるとのこと。将来、地球のほかに生命のある天体が見つかるかも
しれませんね。
科学ライブショー「ユニバース」では毎週様々なゲストをお招きして
最先端の科学の話題をお送りしております。
是非科学技術館のシンラドームまで足を運んでみてはいかがですか。