10月18日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は伊藤哲也(国立天文台)が案内役を務め、
上演いたしました。
まず、今日の東京の夜空を見ました。夜の20時頃には西の空に火星が沈むところが
見えます。また、夏の大三角やアンドロメダ銀河なども見ることができます。
カシオペア座がわかれば、北極星の位置も知ることができますね。
次に東京から飛び出して、他の場所も見てみました。ハワイでは、数日前にTMTの
起工式が行なわれていました。TMTは口径30メートルの次世代光赤外望遠鏡です。
この望遠鏡の鏡は、六角形の鏡を492枚組み合わせて作られます。補償光学と
呼ばれる技術を用いて大気のゆらぎを補正することで、高解像度の観測が実現
します。2021年には稼働の予定です。完成が待ち遠しいですね。
チリには標高5000メートルの砂漠にALMAが建設されています。ALMAは口径
12メートルのパラボラアンテナ54台と口径7メートルのパラボラアンテナ12台
からなる電波干渉計と呼ばれるタイプの望遠鏡です。望遠鏡に搭載されている
受信機のいくつかは日本が開発しました。実際の受信機の組み立ての動画も
紹介しました。
10月8日の皆既月食についても話しました。これは太陽、地球、月が一直線に
並び、月が地球の影に隠れてしまう天文現象です。次の皆既月食は2015年
4月に起こる見込みです。
次のコーナーでは地球を飛び出して、惑星をひとつひとつ見ながら太陽系を離れ、
宇宙旅行に出ました。太陽系のある天の川銀河は横から見るとどらやきのような
形をしていて、真ん中に黒い筋が見えています。黒く見えるのはガスや塵によって
光がさえぎられるためです。このガスや塵は星が形成される材料であると考えられて
います。さらに遠くへいくと、宇宙には天の川銀河の他にも様々な形や大きさの
銀河があることがわかります。宇宙背景放射についての説明のあと、地球まで
戻ってきて、現在運用中の国際宇宙ステーションについても詳しく見ました。
いつかこんな宇宙旅行ができるといいですね。
最後に、10月24日と10月25日に国立天文台で開催される「三鷹・星と宇宙の日」
の紹介をしました。今日の話にあったTMTやALMAも含めて、天文学の最前線に
触れることができます。この機会に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
科学ライブショー「ユニバース」では様々な分野のゲストを招いて、科学の話題を
お送りすることもあります。ぜひ科学技術館4階シンラドームへお越しください。