5月23日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は野本知理(千葉大学)が案内役を務め、
上演しました。
本日のライブショーは「ライブ天体観測」のコーナーから始まりました。日本では
お昼を過ぎたばかりの時間でも、インターネットでアメリカと中継をすれば、
リアルタイムで観測を行うことができます。まず最初に見せていただいた画像は、
M101、M106と呼ばれる銀河たちです。これは地球から2000万光年以上離れて
いるそうです。さらに、M27と呼ばれる惑星状星雲と、土星の画像も見せて
いただきました。土星の画像には、ガリレオが「土星の耳」と表現した環も
綺麗に写っていました。


messier 101_1134881_rprime_001.png
図:M101
messier 106_1134878_rprime_002.png
図:M106

次の「分子の世界」コーナーでは身近な調味料の分子が立体的にどんな構造を
しているのかを見ていき、どの構造がどの調味料かクイズ形式で進めていきました。
積極的に答えてくれるお客様がたくさんいらっしゃり、たいへん盛り上がりました。
重力の不思議のコーナーでは、地球の速度を変えたり、太陽の数を変えたり
すると惑星たちがどんな運動をするのか、シミュレーションを行ないました。
奇妙な運動をする惑星たちに、会場からはあちこちから笑い声が聞こえました。
本日の「ゲストコーナー」では、西野真木さん(名古屋大学太陽地球環境研究所)に
お越しいただき、「月の電磁気環境を調べる」というタイトルでお話していただ
きました。最初に、月の地表から地球が昇ってくる動画を見ました。月は地球に
いつも同じ面を見せています。JAXAが2007年に打ち上げた「かぐや」という人工衛星が
とったデータによると、月の表と裏で磁気の様子がかなり違うことがわかってきたそうです。
月は地球のように全体に大きい磁場があるわけではなく、一部の地殻が磁化している
磁気異常が存在します。これは太陽風のプラズマと相互作用を起こすのではないかと
考えられていました。しかし、磁場のない場所ではほとんど反射されることのない陽子も、
強い磁気異常の発生する場所では50%近くが反射されるという事実が「かぐや」によって
わかったそうです。実際に月面を見てみると、同じ月面でも磁気異常のある場所では
表面が周囲に比べて白っぽくなっていることがあり、プラズマとの相互作用と何か関係が
あるのではないかと西野さんは注目しているようです。磁気の様子は月と地球で大きく
異なるということがわかりました。
他の惑星や衛星と月を比べることでもっと色々なことがわかるかもしれないそうです。
今後の研究が楽しみですね。
科学ライブショー「ユニバース」では科学にまつわる楽しいお話をお送りしてい
ます。毎週、内容やゲストが変わりますので本日お越しいただいた方も、
是非また4Fシンラドームへお越し下さい!お待ちしております。