3月26日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は、野本知理(千葉大学)が案内役を
務め、ゲストに大朝由美子さん(埼玉大学)をお迎えしてお送りしました。
まず、スクリーンには大きく私たちの住む地球が映しだされました。
ちょうどお昼時の日本では星空を見ることはできませんが、このときアメリカは
真夜中。冬の星座が沈み、春の星座が見えるころです。本日はライブショー初の
試みで、アメリカのヤーキス天文台の望遠鏡を遠隔操作して観測を行いました。
果たして天体写真を撮ることはできたのでしょうか。
観測の結果を待ちつつ、続いて「分子の世界」のコーナーへ。3Dの分子モデルの
動きを順に見ていきました。食塩の分子モデルは温度を上げていくと規則的な
配列が崩れてしまいました。食塩は何度で融けるのでしょうか…?
続いては「重力の不思議」のコーナー。どうして太陽の周りを惑星は回って
いるのでしょう。それは重力による影響が大きく関係しています。地球の移動速度を
速くしたり、太陽を消してみたり、様々なシミュレーションを行いました。
続いて、本日の「ゲストコーナー」へ。
大朝さんには「インドネシアでとらえた黒い太陽」というタイトルで、記憶にも
新しい皆既日食のお話を伺いました。
皆既日食とは、太陽ー月ー地球が一直線に並んだときに起こる現象ですが、太陽の
周りを回る地球の公転軌道と地球の周りを回る月の公転軌道がずれているため、
そう簡単に起こるものではありません。
さて、3月9日にインドネシアでは皆既日食が見られ、日本では部分日食が
見られました。インドネシアには古くから『怪物が太陽を飲み込んでしまう』
ために日食が起こるという言い伝えがあり、30年ほどまえの皆既日食のときは多くの
人が家に閉じこもっていたのだそう。しかし今回の日食はみなで楽しんだようです。
そして皆既日食は太陽を取り巻くダスト「ダストリング」の観測をする絶好の
チャンス。通常、太陽から離れるほど明るさの度合いは小さくなりますが、
ちょうど50年前、急に明るくなる場所の存在が明らかになりました。これは
ダストリングによる影響と考えられているものの、なかなか観測に成功していません。
2009年で日本で起きた皆既日食は曇ってしまい断念。
そして今回、インドネシアでダストリングの観測に再チャレンジ。結果は・・・?
最後に太陽観測衛星「ひので」によって撮影された動画を見せていただきました。
さて、「ライブ天体観測」の結果はというと…M81の写真を撮ることに成功!
M81は星が生まれガスが吹き出す活動銀河です。
2回目の上演ではヤーキス天文台のビビアンさんと一緒にフクロウ星雲の写真を
見ました。


M81_1239473_rprime_001-rgb.jpg
図:M81

科学ライブショー「ユニバース」は、毎週土曜日に様々なゲストをお招きして、
科学にまつわる最新の話題をお届けしています。
ぜひ、科学技術館4階シンラドームへお越しください。