5月14日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は大朝由美子(埼玉大学)が案内役を
務め、ゲストに高木悠平さん(国立天文台)をお迎えしてお送りしました。
まず初めに、ユニバースが始まったお昼の東京の空からスタート。さて、お昼に
星を見るためにはどうしたらよいでしょうか…。青い空を見上げると、そこには
明るく輝く星、太陽があります。ここで、埼玉大学と太陽観測衛星で観測した
最近の太陽の画像を見ると、周りより温度が低い黒点を見つけることができました。
しかし5日前の観測画像と比較してみると、黒点の数が合わない…?黒点のように
見える黒い影、実は5月9日の夜(日本時間)に太陽面の前を通り過ぎた水星の姿
だったのです。
さて、星を見るには夜の世界に行くという方法もあります。ということで地球を飛び出し、
日本の反対側にあるアメリカのヤーキス天文台までひとっ飛び!日本はお昼ですが、
アメリカは深夜の2時。もう夏の大三角形やさそり座が顔を出している時間です。
さらに火星、土星、木星、月を見ることができました。5月31日には2年2ヶ月ぶりに
火星が地球に最接近するので、ぜひ赤く輝く火星を探してみてください!
続いての「ライブ天体観測」では、ヤーキス天文台の研究員のKoreyさんにリクエスト
していた土星、わし星雲M16と渦巻銀河M101の画像について解説していただきました。
「太陽系の姿」のコーナーでは、地球からズームアウトしていき太陽系の惑星と小惑星帯、
そして外縁天体を紹介。外縁天体には9番目の惑う星、「惑星」があるのではないかという
ニュースが最近話題になりましたね。
そして待ちに待った本日の「ゲストコーナー」では、高木さんに
「この星は何歳?年齢から探る星と惑星の作り方」というタイトルでお話をしていただきました。
星は生まれては死に、そこからまた新しい星が生まれます。ガスから生まれた星たちは
生まれたときは集まっていますが、だんだんと散らばっていきます。そしてやがては
おうし座にあるアルデバランのように巨大な星になります。
私たちの住む地球のような惑星が誕生するのは、太陽のような恒星が生まれてから
100万年~1000万年かかると考えられています。このように星の年齢は時間の
スケールが大きいので、ずっと観測し続けることはできません。では星の年齢を知る
ためには、どうしたらよいでしょうか。
ヒントは星の進化段階における密度。実は若い星は大きく、明るく、密度が小さいのですが、
一人前の星になるにつれて、小さく、暗く、密度が大きくなっていくのです。密度は、
分光観測からスペクトルの黒い筋”吸収線”を観測することによって求めることができます。
この方法によって、恒星の周りにある惑星のもととなる円盤のなくなり方に法則が
ありそうだということ、さらに、星の生まれる環境によって進化の仕方が異なることが
わかってきたのだそうです。今後の研究がとても楽しみですね!
最後に、天の川銀河の外、さまざまな色や形をもつ銀河の間を遊泳して
本日のライブショーは終了しました。
科学ライブショー「ユニバース」は、毎週土曜日に様々なゲストをお招きして、
科学にまつわる最新の話題をお届けしています。