7月2日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は大朝由美子(埼玉大学)が案内役を務め、
ゲストに田村陽一さん(東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター)を
お迎えしてお送りしました。今日のキーワードは「元素」です!
まず最初は「本日の星空」のコーナー。昼現在の空が映し出されると、明るく輝く
太陽が。この太陽、水素からヘリウムに変換される反応によるエネルギーで輝いて
います。先日の太陽の写真には黒点は見られず、ずいぶんとおとなしめな様子でした。
もし、このまま晴れていたら、東京の夜空にはいくつの星が見えるでしょうか?ぜひ、
夜空を見上げてみてください。さて、東京の夜空は・・?
もうじき七夕の主役であるベガ、アルタイルとデネブを含む夏の大三角形や、
星座線に含まれていない、惑う星、惑星の姿も夜空にありました。しかし、100年前に
タイムスリップすると、ここ東京でもたくさんの星を見ることができました!現在でも
ハワイのマウナケア山では天の川が見えるほど暗く、澄んだ星空が広がっています。
これらの星々から、その一生が見えてきます。実は、星は生まれてくるときの重さで
その一生が変わります。いろんな重さを持った赤ちゃん星が同じ場所で誕生し、
その後太陽のような一人前の時期を経て、太陽程度の星は炭素や酸素を生み出し
「惑星状星雲」へ。さらに重い星は、鉄やマグネシウムなどの元素を作るとともに、
約400年前にケプラーが観測したような「超新星残骸」になって一生を終え、次の
新しい星へ命となるガスが引き継がれます。夏の夜空で星の一生や銀河の姿を
追うことができました!
次に、「太陽系の姿」のコーナーへ。窒素の多い地球から飛び立ち、太陽系の惑星を順に
追っていきました。なんと、火星には思ったより酸素が多い可能性があるようです。
火星探査機キュリオシティの最近の写真から、酸化マンガンが見つかったためです。
もしかしたら近い未来、火星に移住することがあるかも…。
天の川の外側にあるさまざまな銀河を眺めたところで、
今回の「ゲストコーナー」では、田村さんに「宇宙で最初の酸素を探して」という
タイトルでお話をしていただきました。実は、酸素は人間の構成元素の約2/3を
占めています。しかし、宇宙ができたときには水素とヘリウムしかなく、酸素は全く
ありませんでした。さて、いつ酸素はできたのでしょうか。ここでタイムマシンとして
使われるのは望遠鏡です。
天体からの光は地球に届くまでに時間がかかります。例えば太陽の場合は約8分前の姿。
つまり、遠くの銀河を見るほど、昔の銀河の姿を見ることになります。
そこで、すばる望遠鏡で数年前に発見された130億光年離れた銀河に、酸素の兆候が
ないか、チリのアルマ望遠鏡を使って観測されました。すると、130億年前の銀河に
酸素が!!この130億年で10倍に酸素が増えていることもわかりました。
酸素は星が作っているそうですが、もっと遠くにある銀河にも酸素はあるのでしょうか…?
とても楽しみですね。
科学ライブショー「ユニバース」は、毎週土曜日に様々なゲストをお招きして科学に
まつわる最新の話題をお届けしています。
ぜひ、科学技術館4階・シンラドームへお越しください。