本日の科学ライブショー「ユニバース」は、野本知理(国立天文台)が案内役を務め、
ゲストに平松正顕さん(国立天文台チリ観測所)をお迎えしてお送りしました。
本日は、「分子の世界」と「恒星間飛行」、「重力の不思議」のコーナーを
行いました。今回は夏休み中ということもあり、お子さんが多くいらっしゃっていましたが、
「分子の世界」ではお父さんお母さんからの解答も目立ち、盛り上がりました。
「ゲストコーナー」では、平松さんに「アルマ望遠鏡が見る暗黒の宇宙」と題して
お話しいただきました。そもそも、アルマ望遠鏡とはどんな望遠鏡なのでしょうか?
アルマ望遠鏡は、チリのアタカマ砂漠にある口径12mと7mの全66台のパラボラアンテナから
なる電波望遠鏡です。標高5000mに山手線の内側ほどに相当する広さにパラボラアンテナが
設置されています。そこは非常に晴天率が高く、天体の観測に適しているんだそうです。
ライブショーでは、アンテナの隙間を車で抜けていく全天周の映像を映しました。
実際に天体観測をする際はこれらのアンテナが一斉に同じ方向を向きます。その様子は
壮観なのだとか。
アルマ望遠鏡が観測するのは、実際に目で見える光ではなく目に見えない電波です。
馬頭星雲を例に比較してみると、光学望遠鏡では黒く何も写っていないように見える
部分にも、電波望遠鏡では何か物質があることがわかるんです。これらの物質は特有の
光を出しているために、宇宙のどの位置で水やアルコール、生命と起源となるアミノ酸が
生み出されているのかを調べることができます。ほかにも、視力6000の眼は様々なことを
明らかにします。
おうし座のHL星では、取り巻く塵の円盤の中にいくつかの隙間を観測でき、これは惑星が
周囲の塵を集めて誕生しようとしているまさにその場なんだそう。
さらにうみへび座TW星では、太陽と地球の距離に匹敵する軌道に塵の隙間が観測され、
地球がどのように作られたのか知ることができるのではと期待されています。
まだまだ観測が広がっていくアルマ望遠鏡、今後の研究に期待が膨らみますね。
科学ライブショー「ユニバース」は、毎週土曜日に様々なゲストをお招きして科学に
まつわる最新の話題をお届けしています。ぜひ、科学技術館4階・シンラドームへお越しください。
8月20日@科学技術館
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