4月22日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は、野本知理(千葉大学)が案内役を務め、ゲストに間瀬圭一さん(千葉大学)を迎えてお送りしました。間瀬さんは「南極から世界最大のニュートリノ望遠鏡で宇宙を覗く」というお話をしてくださいました。

普通の望遠鏡で見えるのは、宇宙からやってきた可視光(目に見える光)です。間瀬さんの取り組んでいるニュートリノ望遠鏡は、宇宙からやってきたニュートリノを見るための装置です。ニュートリノは素粒子の一種で、人間の目には見えません。目に見えないどころか、あらゆる物質を通り抜けるので「幽霊粒子」とあだ名されています。光はカーテンで遮ることができますが、ニュートリノは地球を9個並べても通り抜けます。つまり、遥か彼方の宇宙から来たニュートリノは、何にも遮られずに地球に届くのです。

このニュートリノを観測することで、遠い宇宙の姿を見ようというのが間瀬さんの取り組んでいる研究です。南極の地下には1立方キロメートルのニュートリノ望遠鏡があります。何でも通り抜けるニュートリノを見るための、巨大で特殊な望遠鏡です。この望遠鏡で54個のニュートリノがこれまでに観測されました。もっとたくさんのニュートリノを捉えて宇宙の姿を明らかにするために、今の100倍の大きさのニュートリノ望遠鏡を造っている最中だそうです。マイナス40度の寒さの中、前に埋めた望遠鏡の場所を雪を掘って確認し、新しい望遠鏡の部品を埋める、大変な作業です。新しいニュートリノ望遠鏡で何が明らかになるのか、楽しみに待ちたいですね。

今日は他に「ライブ天体観測」「分子の世界」「重力の不思議」のコーナーをお届けしました。
ライブ天体観測では、米国シカゴのヤーキス天文台とビデオ通話をつないで、向こうの星空を見せてもらいました。木星、亜鈴状星雲と葉巻銀河を見ました。

図:亜鈴状星雲

科学ライブショー「ユニバース」は毎週土曜日に科学技術館4階、シンラドームでお届けしています。是非お越しください。