4月29日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は、伊藤哲也(国立天文台)が案内役を務め、ゲストコーナーは国立天文台ハワイ観測所の藤原英明さんと生中継でつないでお送りしました。

ライブショーは本日夜8時の科学技術館からの景色からスタート。夜空に見える星々を紹介し、続いて宇宙空間へ。太陽系の惑星たちを順に見ていき、その途中で土星にクローズアップ。1997年に打ち上げられ、2004年から土星の探査をしている探査機「カッシーニ」が、4月26日からグランドフィナーレとして土星のリングと本体の間の軌道に入り最後の探査を行います。カッシーニは13年にわたり、様々なデータを観測してくれました。そして、ゲストコーナーの内容も土星ということで、ここで本日の「ゲストコーナー」へ。ゲストの藤原さんには「土星のリングを赤外線で見てみたら」というタイトルでお話しいただきました。

藤原さんが使ったハワイ島にあるすばる望遠鏡は可視光だけでなく、赤外線でも天体を観測することができます。大きなリングが特徴的な土星ですが、可視光で見てみるとリングの間にすき間があることがわかります。このすき間はカッシーニのすき間と呼ばれています。土星を赤外線で見てみると、リングの中でカッシーニのすき間の部分は周りよりも明るく映っています。土星のリングはたくさんの氷の粒でできており、すき間にも少しだけ粒子が存在します。赤外線では、温かいものほど明るく映るという性質があるのですが、このことより、すき間にある粒子は周りよりも少しあたたかいということがわかります。このように天体は観測する光の種類を変えることでいろいろな素顔を見せてくれます。今後もすばる望遠鏡が明らかにする宇宙の様々な姿が楽しみですね。

ゲストコーナーを終え、再び宇宙空間へ。太陽系からさらに遠ざかっていき、銀河宇宙の世界が広がっているところまで行きました。太陽系の外の世界の研究も進んでいます。最後に地球へと戻っていき、地球の周りを回る国際宇宙ステーションを紹介し、本日のショーは終了しました。

科学ライブショー「ユニバース」では毎週様々なゲストをお呼びして科学の話題をお送りしています。ぜひ科学技術館4階シンラドームへお越しください。