6月24日@科学技術館

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今日の科学ライブショー「ユニバース」は、実験スタジアムLで上演しました。案内役は伊藤哲也(国立天文台)、ゲストは名古屋大学宇宙地球環境研究所の西野真木さんでした。
西野さんは月探査衛星かぐや (2007年-09年) のデータを使って月の研究をされています。「月の夜側で何が起きているか?」という題でお話をしていただきました。

太陽は太陽風というプラズマをまき散らしています。プラズマは目に見えないほどに小さな、電気を帯びた粒です。多量のプラズマが直撃すると、生き物はひとたまりもありません。地球にいる私たちが平気なのは、地球が大きく強い磁石であるおかげです。地球の磁場が電気を帯びたプラズマを退けるのです。しかし、月は地球のような強い磁石ではありません。そのため、月は太陽風プラズマの直撃を受けて電気を帯びています。かぐやは、月の写真を撮るのはもちろん、月がどのように電気を帯びているのかを調べました。それにより月の昼の側はプラスに帯電し、夜の側はマイナスに帯電していることが分かりました。さらに、月を突き抜けてくる太陽磁場の磁力線に沿って月の夜の側では月面からかぐやに向かって動く電子の様子が観測されました。観測データによると、電位差は100Vほどにもなる場合もあるようです。

月の表面には直径50mほど、深さも60mほどもある縦穴があることが分かっています。ここに太陽からの陽が斜めに差し込むと、明るい部分と影の部分ができます。ここでも月の昼の側と夜の側で起きるのと同じように、明るい部分は太陽風を受けてプラスの電気を帯び、暗い部分はマイナスの電気を帯びると考えられます。シミュレーションしてみるとこの電位差は40Vほどになるようです。

これらの電位差は今後の月面での探査において、無人探査機や、宇宙飛行士に影響を与えるかもしれません。その対策もしっかり考える必要性を示す研究結果といえます。

今日は「ゲストコーナー」のほかに、「本日の星空」「ライブ天体観測」「太陽系の姿」「南米チリ・ALMA望遠鏡の話」のコーナーがありました。

ライブ天体観測では米国シカゴのヤーキス天文台とビデオ通話をつないで、シカゴで見える星を見せてもらいました。

図:ソンブレロ銀河
このコーナーに出演いただいたエリックさんは今回が初登場でした。エリックさん今後ともよろしくお願いします。

オリオン大星雲の中の生まれたての星で、そこからガスがらせん状に噴き出す姿をとらえることにチリのALMAで成功したとの発表が今月ありました。その画像を今日のショーで見ました。また、その後、星の生まれている現場で、アミノ酸のもとになる物質がALMAで見つかったという発表もされています。アミノ酸が集まるとタンパク質になります。タンパク質は生物の体を作る物質の一つです。それならば、この星の周りでこれから生命が生まれるかもしれない?! という、夢のあるワクワクする発見でした。

次回の科学ライブショー「ユニバース」は、7月29日の土曜日です。リノベーションを終えた真新しいシンラドームで、より鮮やかな3D映像を駆使してお届けします。新生シンラドームでのユニバースをどうぞ見にいらしてください。

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