4月14日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は、亀谷和久(国立天文台)が案内役を務め、石田忠さん(東京工業大学)をゲストにお迎えしてお送りしました。

「本日の星空」から始まったライブショー、まずは西に沈む冬の星座の紹介を行いました。
その後は科学技術館から飛び出して地球を俯瞰、昼の日本から夜のアメリカ・シカゴへ視点を移して
「ライブ天体観測」のコーナーです。ヤーキス天文台のアダムさんに、撮影いただいた春の代表的な天体であるM44やソンブレロ銀河、木星を紹介していただきました。
図:ソンブレロ銀河

続けて「宇宙の果てへ」「重力の不思議」のコーナーでは、宇宙の姿や星々の間にかかる重力などを見ていただきました。

「ゲストコーナー」では、石田忠さん(東京工業大学)をお招きし、「スケール則の不思議-壁をのぼる水- 」という題目でお話しいただきました。
宇宙の話からうって変わって、非常に小さな小さな世界のお話です。

前知識として、みなさんはメスシリンダーをご存知でしょうか?メスシリンダーは、液体を計り取るためのガラスの管のことです。測定をするときには、水面の”ふち”がせり上がり読み方が特徴的になります。このせり上がる現象をメニスカスと呼ぶのですが、なぜこのような現象が起きるのでしょうか?
理由は、水をはじく物質と水に馴染む物質の違いにあります。はじく物質についた水は、まるっこい形になり、馴染む物質では広がっていきます。ガラスは馴染む物質なので、メスシリンダーではこの現象により”ふち”がせり上がってしまうのです。

では、メスシリンダーをどんどん細くしていくと、どうなるのでしょうか?想像の通り、メニスカス現象の割合が増えていきますね。そして、ついには”ふち”を円形にせり上がっていた水がひとつにくっついてしまうのです。こうなると、次の”ふち”次の”ふち”と水が壁をどんどん登っていき止まらなくなります。これを毛細管現象といい、石田さんの研究の基盤となっています。
(ちなみに、このように小さくなったり細くなったりすると現象が変わることを、タイトルにもある「スケール則」と呼ぶんだそうです。)
毛細管現象を利用すると、小さな液体を減らして加えて混ぜたりできます。これにより人の手ではできない、小さな小さなバイオの実験を実現しているんだそうです。例えば、抗がん剤の副作用の研究などの最先端の科学技術に生かれています。

まとめると、毛細管現象は小さな世界で強くなり、小さな液体を制御するための技術であるマイクロ流路に応用されています。
そしてその毛細管現象は、メスシリンダーの読み方のような、小学校で勉強していることにも表れています。そういった、基礎的な勉強も、最先端の科学・技術の開発に役立つのです。だからこそ、しっかり勉強して、博士になりましょう!と子供たちを励まして、ゲストコーナーを終えました。

科学ライブショー「ユニバース」では、毎週様々なゲストをお呼びして科学の話題をお送りしています。ぜひ科学技術館4階シンラドームへとお越しください。

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