1月7日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は、亀谷和久(国立天文台)が案内役を務め、
石田忠さん(東京工業大学)をゲストにお迎えしてお送りしました。
今年初のライブショーということで、コンピュータで再現した初日の出を見たあと、
冬の星座であるオリオン座、おおいぬ座、おうし座などを紹介しました。
「太陽系の姿」のコーナーでは、太陽系の惑星を一つずつ確認しました。
その後、宇宙の大規模構造までの旅行を楽しみました。
また、惑星の運動と重力の関係や、銀河同士が衝突する様子を、リアルタイムの
シミュレーションを用いた「実験」を通して来場者の皆様に体感していただきました。
最後に本日の「ゲストコーナー」
石田忠さん(東京工業大学)をお招きし、
「電子顕微鏡でみる病気の正体~困った小さな病原体たち~」と題して、
お話しいただきました。
昔は感染症に対して患者を隔離して休ませることしかできませんでしたが、16世紀に
顕微鏡が発明されると、原因となる細菌などを観察できるようになり、治療への道が
開かれるようになりました。
例えば、野口英世は顕微鏡を使って黄熱病などの病原体の研究を行ないました。
現在では、電子顕微鏡を通して細菌よりも小さいインフルエンザウイルス、
ノロウイルスなども観察できるようになっています。
電子顕微鏡は、電子を利用して観察しています。電子は、空気や水があると進めないため、
いままでは乾燥したミイラのようなものを観察するしかありませんでした。これに対して、
石田さんが開発された新しい電子顕微鏡では、電子線を通すことのできるとても薄い
膜の間に水に含まれた試料を挟み、これを観察することで、乾燥せずに細菌などを
観察することができるようになったそうです。
将来、病原体が感染する様子を水の中で観察し、その弱点を見つけて、効果的な薬を
作りたいそうです。
今後技術が進んで、現在治療できない病気を治療できるようになるといいですね。
 
科学ライブショー「ユニバース」では毎週様々なゲストをお呼びして科学の話題を
お送りしています。ぜひ土曜日の午後に科学技術館4階シンラドームへお越しください。