10月8日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」では矢治 健太郎(核融合科学研究所)が案内役を務め、ゲストに近藤 正聡准教授(東京工業大学 科学技術創成研究院 ゼロカーボンエネルギー研究所)
を迎えてお送りしました。

まず科学の話題について3つ紹介しました。
1つ目は今週発表されたノーベル賞についてです。科学ライブショー「ユニバース」では、生理・医学賞と物理学賞、化学賞の受賞テーマと受賞者について、簡単に紹介しました。
2つ目は、NASAの実験についてです。遠い将来、小惑星が地球に接近し衝突することを防ぐために、小惑星にNASAの小惑星探査機DARTを衝突させ小惑星の軌道を変えられるのか、という実験が行われました。
3つ目は太陽についてです。最近の太陽は活動が活発になっており、太陽フレアがたくさん発生していることを、国立天文台の望遠鏡や太陽観測衛星ひのでによって撮影された画像や動画とともに紹介しました。

そして「ゲストコーナー」では、近藤正聡先生に「「凄すぎるぞ!液体金属!!」」と題してお話ししていただきました。
液体金属は、金属の性質を持っており、キラキラピカピカ光るきれいな液体です。氷を温めると水になるのと同じように、金属も温めると液体になります。
近藤先生はこの液体金属について研究しており、今回は液体金属の魅力や新しい使い道について紹介しました。
液体金属の凄すぎるポイント1つ目は、「宇宙に大きな望遠鏡を作れるかも」。もし月に望遠鏡を置くことができたら、月には大気がないため地球よりももっと綺麗に天体を観測することができます。ですが、スペースシャトルでは望遠鏡の大きな鏡を運ぶことができません。そこで、近藤先生たちは月で液体金属から望遠鏡の鏡を作ることを目指し、研究を行っています。
液体金属の凄すぎるポイント2つ目は、「エネルギーに困らなくなるかも」。液体金属を介して核融合エネルギーを取り出そうと、新しい発電方法の研究が行われています。核融合炉実験炉ITERは、現在南フランスで建設中で、2025年頃に完成を目指しているそうです。
液体金属の凄すぎるポイント3つ目は、「水に困らなくなるかも」。日本では冷たくておいしい水が豊富にありますが、世界の20億人もの人々は水が無くて困っています。なんと、海水を液体金属に吹きかけると、しょっぱい成分であるミネラルを液体金属が吸い込んで、おいしい真水を作ることができるそうです。この技術により水不足を解消することができるようになるかもしれません。
このようにたくさんの可能性を秘めた液体金属ですが、これまであまり使われてきませんでした。その理由は、液体金属を入れることができる容器がない、という課題があったからだそうです。ところが、最近、近藤先生たちは900℃という高温でも負けない材料を見つけ、Yahooニュースにもなったそうです!このライブショーでは液体金属の魅力について、たくさん学ぶことができました。これからどのように液体金属の研究が行われ、応用されていくのか、楽しみですね。

他にも「太陽系の姿」のコーナーで太陽系、そして宇宙の果てまでみなさんをご案内しました。

科学ライブショー「ユニバース」では毎回さまざまな科学の話題をお送りしています。
ぜひ科学技術館4階シンラドームへお越しください。

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