2月13日@科学技術館

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本日のユニバースでは、半田利弘(東京大学)が案内役となり「太陽系の姿」「ライブ天体観測」「ゲストコーナー」「恒星間飛行」を行いました。
「ライブ天体観測」のコーナーでは、ライムート第一彗星を紹介いたしました。ご来場の皆さまとともに、複数枚の画像で移動する彗星を確認しました。
また、「ゲストコーナー」では超電導工学研究所の筑本知子さんをお迎えして、「究極の省エネルギー技術!?超電導技術の今」というタイトルでご講演頂きました。
「超電導」はなにか不思議な現象、身近な生活とは縁遠い現象というイメージがあるかもしれませんが、非常に私たちの生活に密接した重要な現象です。みなさまのなかには「超電導」や「超伝導」という二つの漢字表記を目にしたことがある方もいらっしゃると思います。
”超伝導”現象が「超-電気-伝導」であり、その略称と考えると、どちらも正しい表記といえます。
「超電導」は主にエネルギー業界で、「超伝導」は学術分野で使われます。
超電導は今からちょうど100年前の1911年にH.K.オンネスによって発見されました。しかし、当時発見された超電導は、超電導になる温度が約4.2K(-269℃)とあまりにも低く、実用化には難しい状態でした。そこから研究が進み1987年、液体窒素温度の77K(-195.8℃)以上で超電導になる物質が発見されました。超電導体は抵抗がゼロになるため、エネルギーの損失がなくなるという利点があります。そのため送電線に使うことでエネルギー損失をなくし、エネルギー効率を高めようという動きがあります。現在、電力の損失率は約5%です5%と聞くとエネルギー損失が少ないように聞こえますが、日本で一年間に発電される電力量の5%を換算すると、およそ柏崎原子力発電所の5基が一年間に発電する電力に相当します。
また、エネルギーの損失がないということは熱の発生がないということです。現在の電線のほとんどは銅でできており、そこに大量の電流を流すと抵抗のために熱が発生して焼けてしまうという問題がありますが、超伝導体では同じ断面積で100倍以上の電流が流すことが出来ます。これは地中に送電線を通すときや、ビルの配線で役立ちます。超伝導体を用いた送電線を使うことでエネルギー損失がなくなると、エネルギーの発電量が少なくてすむので、かなりの量の二酸化酸素を削減できるようになります。未来には、送電線が超伝導体になって、みなさまはよりクリーンなエネルギーで生活しているのかもしれませんね。