10月15日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は、案内役に戎崎俊一(理化学研究所)、
ゲストにカール・ペニーパッカーさん(米、ローレンス・バークレー国立研究所)を
生中継でお迎えして特別番組「ノーベル物理学賞」を上映しました。
今年のノーベル物理学賞は「遠方の超新星の観測により宇宙膨張が加速して
いることを発見した」サウル・パールミュッターさんに授与されました。カールさんは
サウルさんの先生で、30年にわたって超新星による宇宙膨張観測を行いました。
今回は、サウルさんの研究内容を説明していただきました。
超新星とは、ある種の星が一生を終える瞬間に起きる爆発現象のことです。
超新星は1つの銀河につき100年に1度くらい起こる、宇宙で一番大きくて、華麗な
爆発です。その明るさは銀河(太陽のような星が1000億個集まっている)と同じ
ぐらい明るいものです。超新星のうちIa型と呼ばれるものは爆発を起こすときの
重さが決まっているため、どれも同じ明るさになります。地球から見えるIa型
超新星のみかけの明るさを測定することで、地球との距離を正確に測定する
ことができます。カールさんは超新星を観測するために自動撮影する望遠鏡を
発明し、皆が使えるようにしました。
宇宙膨張の加速を証明したのは、ハッブル図と呼ばれる縦軸に超新星の明るさ、
横軸に超新星までの距離(赤方偏移)をとったグラフです。宇宙が加速膨張して
いない場合の計算から求められる超新星の明るさよりも、実際の観測結果は
暗いことが示されました。このことから、Ia型超新星が加速しながら遠ざかって
いることがわかりました。この結果をもとに宇宙の構成を求めるとダークマターが
約25%、水素・ヘリウムが約4%、ダークエネルギーが約70%となります。ダーク
エネルギーはまだ何かが全く分かっていないものであるため、まだまだ宇宙は
分からないことだらけです。
今回はノーベル物理学賞特別講演をお送りしましたが、科学ライブショー
「ユニバース」では毎回様々内容の上映を行いますので、また足をお運びください。