11月19日@科学技術館

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本日のユニバースは大朝由美子(埼玉大学)を案内役として、
ゲストには坂井南美さん(東京大学)を迎えてお送りしました。
「太陽系の姿」のコーナーでは、東京から見える夜空を眺めた後、
地球の外へと飛び出してみました。太陽に近い内側の惑星から
順に惑星を巡り、その中で探査機により撮影された火星の風景、
および木星のエウロパや土星のエンケラドスといった衛星に
ついて、生命の観点から液体の水という視点から見ていきました。
最近地球に接近した小惑星を含め、小惑星帯や太陽系外縁天体の
話題にも触れながら太陽系を概観し、星や惑星がどのように
誕生するのか、ということにふれたところで、
ゲストコーナーへと移っていきます。
本日の「ゲストコーナー」は「化学の眼で見る星の誕生」という
テーマでお送りしました。これまで「有機分子」というものは
生命が作ったものだと考えられていましたが、実は生まれて
間もない赤ちゃん星にも存在し、赤ちゃん星の周りで「自然」に
作られていた、という最新のお話を聴くことができました。
しかし、この有機分子を持たず、代わりに鎖状炭素を持つ
赤ちゃん星も確認されています。それでは私たちのいる太陽系の星、
太陽はどちらの星だったのでしょうか?私たち生命の由来である
有機分子がいつできたのでしょうか?様々な謎が今後の研究で
分かるかもしれません。
なお、この研究には世界中の様々な大型電波望遠鏡が用いられ、
日米欧の国際プロジェクトでチリに建設中のALMA電波望遠鏡が、
この秋から部分的に運用が開始されました。夢の電波望遠鏡
ALMAを使って、太陽系や生命の歴史により深く迫れる日も
そう遠くはないでしょう。
ゲストコーナーの後には、地球へと戻っていって、もう一度
地球を眺めてみました。太陽系には様々な惑星がありますが、
その中でも地球ほど色彩豊かな星はありません。今のところ、
生命の存在する星もまた、この地球のみです。
私たちの生まれたこの地球の美しさを感じながら、本日の
ユニバースは終演となりました。