4月21日@科学技術館

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本日の科学ライブショーユニバースは亀谷和久(東京理科大)が案内役を務め、
纐纈慎也(こうけつしんや)さん(海洋研究開発機構(JAMSTEC))をゲストとして
お招きしてお届けしました。
来る5月21日(月)の朝、日本で金環日食を観ることができます。日食が
始まると、太陽は右上から欠けていきます。そして、東京では7時31分ごろ
から約5分間、太陽が月から少しはみ出る金環日食独特のリングを観る
ことができます。日食には、金環日食と皆既日食がありますが、なぜ
2種類の日食があるのでしょうか?月の軌道は円ではなく、楕円である
ため地球と月との間の距離は変わります。そのため、地球と月との距離が
遠いとき金環日食が起こり、近いとき皆既日食が起こります。なお、太陽を
直接目で観ることは危険ですので、おやめ下さい。市販されている
日食用の眼鏡を購入して観察しましょう。
本日の「ゲストコーナー」は「海洋深層の変化を探る」というタイトルで
お送りいたしました。地球温暖化が問題となっていますが、これは地球に
入ってくる熱と出ていく熱のバランスの崩れから起こります。入ってくる
熱は、大気や陸地や海に吸収され蓄積されます。そのうち、大気や陸地が
吸収する熱よりも、海が吸収する熱の方がはるかに多いそうです。
纐纈さんは海の深いところに熱がどのように吸収されるかを調査しています。
これまで、海での熱の吸収は、水深の浅いところでしか測られていません
でした。これに対して、纐纈さんたちの調査によって4000mより深い海でも
水温が上昇していることがわかりました。さらに、深層海流により南極の方
から水温が上昇していることもわかったそうです。このように、海が地球に
入ってくる熱を吸収してくれることによって、地球の急激な気温変化を
防いでくれています。海の重要性を改めて感じさせてくださいました。
最後に本日で、ユニバースは16周年を迎えることができました。
これも皆様のおかげです。何度でも見たくなるショーをお届けできるよう
精一杯頑張りますので、どうぞ宜しくお願いいたします。