9月1日@科学技術館

投稿者:

本日の科学ライブショー「ユニバース」は伊藤哲也(国立天文台)
を案内役、ゲストに青山潤さん(東京大学大気海洋研究所)を
お迎えしてお届けしました。
本日から9月ですが、まだまだ暑い日が続いていますね。
そんな中夜空を見上げてみると、東にはのぼるペガスス座
などの秋の星座を見ることができ、季節の移り変わりを
感じることができます。
ところで、先日8月31日に満月が見られましたが、実はこれは
8月に二度目の満月でした。月に2回、満月が見られるのは珍しく、
これはブルームーンと呼ばれます。ブルームーンと聞くと青い月を
イメージしますが、本日のゲストコーナーでは青い月ではなく青い
“海”でのお話を青山潤さん(東京大学大気海洋研究所)に紹介
していただきました。
「新月の夜の物語 -ウナギの産卵生態-」というタイトルの通り、
ウナギの誕生からその一生をお話していただきました。
ウナギは太平洋の南方で生まれ、育ちながら日本にやってきて
河で数年をすごし、また産卵のために太平洋に戻っていく
のだそうです。しかし実はつい最近まで、ウナギが正確にいつ、
どこで生まれるのかはわかっていませんでした。多くの研究者が
その答えを求めて海での調査を続けてきました。それには、
二つの方法が用いられています。
一つは卵から生まれたばかりの小さなウナギを探すことで、
生まれたおおよその場所を推測することです。
もう一つは多くの魚類が持っている耳石(じせき)を観察する
ことです。耳石には1日に1本増えるの年輪のような模様があり、
これを数えることでそのウナギの生まれた日を知ることが
できます。
このようにして調査を行った結果、ウナギは必ず新月の前後に
生まれることがわかりました。また、青山さんのグループは
世界で初めて、天然のウナギの卵を海中から採取することにも
成功しました。しかし、自然界でのウナギの産卵の様子は
まだ見ることができていません。
これを見つけるため、研究は続いていきます。
ところで皆さん、ブルームーンだった8月31日に、国際宇宙ステーション
(ISS)で星出宇宙飛行士が約8時間にわたって部品の交換などの
船外活動を行ったのはご存知でしょうか。日本人宇宙飛行士による
船外活動はこれで3人目となり、私たちと宇宙との関わりは
深くなっています。夜空を見て、ISSを探してみてはいかがでしょうか。
ISSを目で見ることができる機会は、“こちら”で確認してください。