12月7日@科学技術館

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12月に入り、街はすっかりクリスマスムードとなっていますね。本日は冬にぴったりの
幻想的な宇宙について、東京理科大学の亀谷和久がご案内いたしました。
まず今夜(12/7)の夜空を眺め、冬の星座などを紹介していきました。その後地上から
飛びたち、わたしたちが住む太陽系の惑星にふれていきました。また、先日話題となった
アイソン彗星の軌道を見たり、惑星だけではなく他天体についても見たりしていきました。
アイソン彗星はとても明るく光ると期待されていましたが、残念ながら太陽付近を通過した
際に蒸発してしまいましたね。今日はそのアイソン彗星について都留文科大学/国立天文台の
古荘玲子さんにお話しいただきました
そもそも彗星とはどんなものなのでしょう?実は、彗星の正体は
水などが凍った氷と、鉄やマグネシウムを含む塵のかたまりなのです。
彗星が太陽に近づくと、コマと尾が現れます。コマとは太陽に
よって熱せられたために出てきたガスや塵が彗星の本体の周囲を
覆ったもので、それが長く引くと尾になります。また、太陽風に
よってできたイオンによる尾もあります。
彗星は周期、つまり太陽に近づいて次に近づくまでの時間によって
2種類にわけられます。周期が200年以上のものを長周期彗星、200年
以下のものを短周期彗星と呼びます。今回のアイソン彗星は放物線
軌道といって周期は無限に長く太陽を通過したらそのまま戻って来ず、
長周期彗星に含まれます。長周期彗星は「オールトの雲」と呼ばれる
冥王星よりももっと遠いところから来ているのだろうと言われています。
しかし、まだオールトの雲は観測されてはいません。長周期彗星は
いつ、どんなものが来るか予想が難しいとされています。短周期彗星は
太陽系外縁天体(カイパーベルト)と呼ばれるところからやってきます。
こちらはだいたい冥王星と同じ程度の遠さからやってきて、到来
時期を予想しやすいと言われています。
何故太陽系には彗星のような氷と塵の塊があるのか?その謎は太陽系が
誕生した時まで遡ります。宇宙空間でガスが集まり太陽の卵ができた
とき、太陽の周りには円盤状に塵やガスがありました。それらが
集まって今の惑星になりますが、太陽よりも遠い寒いところでできて、
惑星の大きさにまでなれなかったもの、それが彗星の正体なのです。
彗星は尾の形などからいつ出てきたガスや塵なのかがわかります。
今回のアイソン彗星は太陽を通過する少し前に既にガスが出なくなり、
無くなってしまったようです。しかしその尾の引き方も単純モデル
では合わない部分があったようで、アイソン彗星のかけらなどを
使ってこれからさらに研究がされていくそうです。
最後は太陽系から飛び出て遠い遠い宇宙の果てまで皆さんと旅をして
いきました。実際には行けない遥か遠くの銀河などをみなさんに
お楽しみいただきました。