4月9日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は、矢治健太郎(国立天文台)が
案内役を務め、鳥海森さん(国立天文台太陽天体プラズマ研究部 特任助教)を
ゲストにお迎えしてお送りしました。
まず初めに「太陽系の姿」のコーナーから。水星から順番に太陽系の惑星を
みなさんで見ていきました。木星では「大赤斑」を目印に木星の自転周期クイズを
行いました。
続いては最近の太陽の様子を確認。スクリーンには3種類の太陽画像が
映し出されましたが黒点は1ヶ所だけ出現していました。黒点の数はおよそ
11年周期で変化します。太陽の黒点数の年変化のグラフを見ると、
2012年前後に極大を迎えたあと黒点数は減少し、2000年頃の極大期よりも
黒点数は減少していることがわかります。
「本日の星空」では今夜20時の空を紹介。東の空にはしし座、おとめ座、
かみのけ座をはじめとする春の星座が、西の空にはまだ冬の星座も見ることができます。
「ライブ天体観測」ではヤーキス天文台のビビアンさんと中継をつないで、
現地で撮影された銀河などの画像を紹介していただきました。一部の銀河の
画像はなんと高校生が撮影したのだそう。銀河を真上や真横から撮影した画像を
見ると銀河の構造がよくわかります。


ngc5907.jpg
図:NGC5907(横から見たとき)
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図:NGC4535

さて、いよいよ本日の「ゲストコーナー」へ。鳥海さんには
「黒点・フレア 太陽の謎に迫る!」と題して太陽観測・シミュレーションの
研究最前線についてお話しいただきました。
まず、スクリーンに大きく映しだされたのはアメリカの人工衛星「SDO」によって
撮影された太陽フレアの迫力ある映像。太陽フレアは黒点の近くで起きる太陽の
爆発現象です。
ここからはクイズを通して様々な太陽の謎に迫っていきました。
まず、なぜ黒点は暗いのか?という謎からスタート。黒点の明るさには温度が関係
しています。黒点の温度が周りよりも低くいので暗く見えるのです。それではなぜ
黒点は温度が低いのでしょう?正解は、黒点に「磁場」があるから。磁場にはガスの
運動をおさえる働きがあり、その結果、温度が低くなるのです。
続いて、その磁場はどこから来るのか?という謎へ。磁場は太陽の中から
湧き出ているのだそうです。太陽の中を直接見ることはできないので、
スーパーコンピュータで再現された太陽内部の映像を見せていただきました。
橋をかけるようにして形成される磁場の様子がわかりましたね。
実はコーナーのはじめに映しだされたインパクトある太陽フレアの発生にはこれまで
出てきた「黒点」と「磁場」が関係しています。磁場のある黒点のまわりでエネルギーが
解放されることで太陽フレアが生じるのです。
さらに太陽フレアは地球にも影響を及ぼします。地球から見えるオーロラは
太陽フレアによって生じた高エネルギーの「粒子」が地球の磁場に沿って降り注ぐことで
発生します。
まさに、太陽の活動が地球と密接につながっている!と実感できるようなお話でした。
科学ライブショー「ユニバース」は、毎週土曜日に様々なゲストをお招きして、
科学にまつわる最新の話題をお届けしています。
ぜひ、科学技術館4階・シンラドームへお越しください。