12月3日@科学技術館

投稿者:

本日の科学ライブショー「ユニバース」は、野本知理(千葉大学)が案内役を務め、
ゲストに山敷庸亮さん(京都大学)をお迎えしてお送りしました。
ライブショーは「ライブ天体観測」のコーナーから始まりました。このコーナーでは
米国シカゴにあるヤーキス天文台の様子をインターネット中継することで、最新の
天体画像の紹介を行っています。今回の画像はM27(あれい星雲,こぎつね座)、
M51(子持ち銀河,りょうけん座)、M103(散開星団,カシオペア座)で、ヤーキス天文台の
Koreyさんによる解説がありました。


messier 27_1739867_rprime_002.jpg
図:M27

このあと「分子の世界」「恒星間飛行」(14時の回)と「重力の不思議」(15時半の回)の
コーナーがあった後はいよいよ「ゲストコーナー」です。
「ゲストコーナー」は、山敷庸亮さん(京都大学)をお迎えしてお送りしました。
“太陽系外惑星”をテーマに「エクソプラネットキョウトで水惑星をさがしませんか?」という
タイトルでお話しいただきました。
太陽系の他にも、ある恒星を中心に複数の惑星が公転してる「惑星系」が594個
あることがこれまでの観測や研究からわかっています。
このような惑星系に属する”太陽系外惑星”は3500以上もの数が確認されており、
「エクソプラネットキョウト」はその情報を発信している我が国で初めてのwebサイトです。
学術的なデータだけでなく、系外惑星についてのわかりやすい読み物もあります。
EXOKyoto
http://www.exoplanetkyoto.org/
さて、これまで3500以上見つかっている系外惑星ですが、地球型生命が住めるのでは
ないかと考えられている星は、太陽系内惑星二つ(地球・火星)を含むわずか18個しか
ないのだそうです。ほとんどの星は中心星(その惑星系における太陽)に近すぎて水が
完全に蒸発してしまうか、反対に離れすぎていて水が凍ってしまうか。あるいは大きすぎて
ガス惑星である可能性が高かい…など、ヒトが住めそうな惑星はごくわずかなのです。
ヒトが住めそうな18個の星の中でも、ケプラー452bは様々な面から地球とよく似ている
とのことで、山敷さんは「地球のいとこ」と呼んでいました。この星は中心星の大きさや
その距離が地球と似ているので、暑すぎる・寒すぎることがありません。また地球より少し
大きく、そのため重力も大きく、表面に海が存在してもおかしくないと考えられています。
しかし、この星に移住するには1つ大きな問題があります。この星は地球からなんと
1400光年も離れており、あまりに遠すぎるのです!
そうすると、わずか4.2光年しか離れていないProxima Cen bという惑星は、ヒトにとって、
将来「第二の故郷」になりうるかもしれませんね。これからさらに研究が進めば、本当に
移住できる星が発見される日が来るかもしれません。
科学ライブショー「ユニバース」では毎回様々なゲストをお呼びして科学の話題をお送りしています。
ぜひ科学技術館4階シンラドームへお越しください。