2月11日@科学技術館

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今日の科学ライブショー「ユニバース」は、“望遠鏡で星を見よう!”をテーマに、
案内役を大朝由美子(埼玉大学)が務め、ゲストに埼玉大学大学院教育学研究科の
柴田吉輝さんをお迎えし、「埼玉大学“SaCRA望遠鏡”が見た宇宙 ~私は縁の下の力持ち~」
というタイトルでお話し頂きました。
SaCRA望遠鏡は、埼玉大学にある、鏡の口径が55cmの反射式望遠鏡で、柴田さんは
この望遠鏡を含めた、望遠鏡・観測装置の制御・自動観測システムの構築をされています。
望遠鏡を使用した天文学研究というと、研究者が望遠鏡を直接覗いて天体を
観測している姿を想像するかもしれません。
しかしながら、今日ではその姿はまったく異なります。
望遠鏡に検出器等のデジタル機器を搭載して観測を行っているのです。
遠く地球から離れた天体から届く光は、様々な波長の光が混ざっています。
この光を波長ごとに分けて、検出器で記録して解析することで、その天体の
物理的な特徴を探ります。
そのため、天文学者は観測中に直接望遠鏡を覗くことは無く、ほとんどコンピュータの画面
に映る観測結果を見ています。
さらに柴田さんは、埼玉大学の望遠鏡・観測装置を使って、自動観測を行うために、
天気の判断を行うシステムを構築しました。
私たちの目で見ることができる波長である可視光線での天体観測は、天候によって
その実施の可否が分かれます。
雲がでていればもちろん天体が見えませんし、雨が降っている場合や湿度が高い場合、
望遠鏡や観測装置が傷ついてしまう危険があります。
そのため、自動で天体観測を行うためには、コンピュータ上で、現在観測可能な
天気であるのかを判断して観測を行う必要があるのです。
他にも、天体観測を効率的に行うためのシステム・環境づくりを行っている柴田さんは、
まさに「縁の下の力持ち」です。
この他、今日のライブショーでは、
・望遠鏡で太陽を見ると、どのように見える
・今日の星空には、どんな天体がある?「本日の星空」
・米国ヤーキス天文台との中継で、撮られたばかりの天体を紹介「ライブ天体観測」


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図:M81

・望遠鏡で見た太陽系や銀河系、宇宙の果ての姿を、3Dで遊泳をしてみよう、
「太陽系の姿」「宇宙の果てへ」
などのコーナーをお送りしました。
科学ライブショー「ユニバース」では毎週様々なゲストをお呼びして科学の話題をお送り
しています。
土曜日の午後は、ぜひ科学技術館4階シンラドームへお越しください。