本日の科学ライブショー「ユニバース」は、矢冶健太郎(国立天文台)を
案内役にお送りしました。昨日、今日とあいにくの天気が続いていますが、
たくさんのお客様にお越しいただきました。ありがとうございます。
太陽の表面には黒点の他にフィラメントと呼ばれる細長いものが見られます。
フィラメントがある太陽の画像を見て、次に翌日に撮影した太陽の画像を
見てみると・・・フィラメントがなくなっています。これはフィラメントが
吹き飛ぶ現象が起こったことを示しています。アメリカの太陽観測衛星
SDOが噴出の様子を撮影しており、今回はその動画も紹介しました。
本日の「ゲストコーナー」は、臼井文彦さん(東京大学大学院)が
「赤外線が決め手!いま明かされる小惑星帯の姿」と題してお話しました。
小惑星には、火星と木星の間の小惑星帯にあるメインベルト小惑星や、
イトカワのように地球軌道の近くを通る近地球型小惑星などがあり、大小
さまざまな(数十mから数百km)ものが60万個以上存在していることが知ら
れています。小惑星の大きさは基本的なデータの一つですが、小惑星一つ
一つに探査機を飛ばして測るわけにもいきません。そこで、臼井さんは
赤外線を用いて観測を行っています。小惑星は太陽光で暖められ赤外線
を出しますが、観測される赤外線の強さは小惑星の大きさに応じて変わり
ます。地上では小惑星からの赤外線は大気に吸収されて届かないため、
赤外線天文衛星「あかり」などを用いて宇宙から観測を行いました。今
までに、IRAS(アイラス)、あかり、WISE(ワイズ)の3つの衛星を使って、
約13万個の小惑星が観測され、その大きさがわかりました。
臼井さんは現在、あかりなどの観測結果の解析を行っています。あかりは
およそ5000個の小惑星を観測しました。その結果は「あかり小惑星カタログ」で
公開されています。
10月5日@科学技術館
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