本日の科学ライブショー「ユニバース」は矢治健太郎(国立天文台)が
案内役を務め、ゲストに今村剛さん(宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所)
をお迎えしました。
本日のショーは「太陽系の姿」からスタート。太陽系の各惑星を順番に
見たあと、太陽にズームアップ。本日国立天文台で観測された太陽の
画像を見ました。
3月9日には日本各地で「部分日食」が見られます。食が最大になる
3月9日11時ごろに時間を進め、太陽・月・地球の並び方を宇宙から
確認しました。
当日晴れていれば部分日食を観測することができますが、サングラスや
下敷きで太陽を見ると目を痛める恐れがあります。
日食めがねやピンホールの穴から太陽の像を地面に映すなどして、
安全に天体ショーを楽しみましょう!
2016年3月9日 日本全国で部分食
http://www.nao.ac.jp/astro/sky/2016/03-topics02.html
次は「本日の星空」のコーナー。
今晩見えるオリオン座やおうし座、冬の大三角形など冬の代表的な
星座を紹介しました。ここで、今研究者の間で話題になっている
「高速電波バースト」という現象に関するニュースをお届け。
この現象は、ある銀河が1000分の1秒という短い時間に電波で光る、
というものです。
おおいぬ座のシリウス付近でこの「高速電波バースト」の発生源である
銀河が見つかりました。その銀河は地球から50億光年離れており、
さらにその銀河と地球の間にバリオンという物質がどれくらい存在するのか
明らかになりました。
本日の「ゲストコーナー」は「金星探査機あかつき ~旅路の果て、そしてこれから~」。
金星は大きさが地球と同じくらいであることなどから、地球の「双子星」と
呼ばれています。しかし、実は地球のおよそ100倍も濃い大気に覆われており、
その96.5%を占める二酸化炭素の温室効果で金星の表面温度は460℃と
非常に高いのだそうです。
これは「地球温暖化の成れの果て」のような状態です。
金星探査機「あかつき」は、2010年5月に打ち上げられましたが、
12月に金星と接近した際に減速できず、軌道の投入に失敗してしまいました。
それから5年の月日を経て、ついに昨年の12月、軌道投入に見事成功しました。
「あかつき」の軌道は大きな楕円の形をしており、金星から遠いところで
およそ30万kmも離れています。「あかつき」はいわば金星の気象衛星。
金星で吹いている時速360kmという猛烈な風や活火山の有無などを調べ、
金星と地球の環境の仕組みがどう違うか解明することが大きな目的です。
現在は長い旅で故障したところがないかチェック中とのこと。
4月から本格的な観測が始まる予定です。今後の活躍に乞うご期待!
科学ライブショー「ユニバース」は、毎週土曜日に様々な
ゲストをお招きして、科学にまつわる最新の話題をお届けしています。
ぜひ、科学技術館4階シンラドームへお越しください。
2月27日@科学技術館
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